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ホーム全日病ニュース(2023年)第1031回/2023年5月1日号2021年度と2022年度の3カ月の比較で赤字病院が増加

2021年度と2022年度の3カ月の比較で赤字病院が増加

2021年度と2022年度の3カ月の比較で赤字病院が増加

【3病院団体】医療機関経営状況調査の結果を公表

 全日病はこのほど、日本病院会、日本医療法人協会との3病院団体合同の医療機関経営状況調査の結果を明らかにした。冬の時期にあたる2021年12月~ 2022年2月の3カ月と2022年12月~ 2023年2月の3カ月の収支などを比較している。医業利益、経常利益ともに、赤字病院の割合が増加するなど、さまざまな指標が悪化していた。2024年度診療報酬改定が、医療機関の経営状況を考慮したものになるよう、調査結果を厚生労働省に提出する。
 調査期間は3月29日~4月5日であり、3団体に加盟する4,051病院を対象にアンケート調査を実施。4月5日時点の回答数は690病院、有効回答数は630病院で、有効回答率は15.6%にとどまっている。
 2021年12月~ 2022年2月の3カ月と2022年12月~ 2023年2月の3カ月を比較すると、医業収益の利益が赤字である病院の割合は73.5%から77.0%に増加している。経常利益が赤字である病院の割合は43.3%から51.6%に増加している。新型コロナ、物価高騰関連の補助金を除くと、経常利益が赤字病院の割合は67.8%から72.2%に増加している(左下図参照)。
 これらの結果から、次のような点を指摘することができる。
◇ 医業利益の比較では、2021年度、2022年度ともに赤字病院の割合が7割を超える
◇2022年度の赤字病院の割合は2021年度より3.5ポイント増加
◇経常利益の比較では、赤字病院の割合が2021年度より8.3ポイント増加
◇経常利益からコロナ、物価高騰関連補助金を除くと、2021年度、2022年度ともに赤字病院の割合が約7割。2022年度の赤字病院の割合は2021年度より4.4ポイント増加
◇医業収益と医業費用の比較で、医業費用の伸びが医業収益の伸びを上回る
◇電力、ガスなどの水道光熱費が前年比で4割以上増加
 結果を踏まえ、2021年度と2022年度ともに赤字病院の割合が7割を超え、経常利益においても補助金がなければ、ほとんどの病院が赤字経営となる「異常な状態にある」と指摘。現在の診療報酬に構造的な問題があると言わざるを得ず、「安定的な医療提供体制を確保するためには、大幅な入院基本料の引上げが必要である」と訴えている。
 なお、回答病院の特徴をみると、病床規模では、100~ 199床が最も多く216病院、次いで、20~ 99床が100病院、500床以上が89病院となっている。開設主体別では、医療法人が328病院で最も多く、次いで自治体が104病院、その他公的が98病院となっている。地域別では、関東が最も多く149病院、次いで、中部が120病院、九州98病院となっている。

 

全日病ニュース2023年5月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 2022 年度 病院経営定期調査 -集計結果(概要)-

    https://www.ajha.or.jp/topics/4byou/pdf/221214_2.pdf

    2022/12/02 ... なお、従来の損益比較について、「コロナ関連 緊急包括支援事業 入金額/補助金」ならびに「コ. ロナ関連の補助金を除く経常利益」を加え、新型コロナ ...

  • [2] 医療機関経営状況調査

    https://www.ajha.or.jp/voice/pdf/keieichousa/keieichousa.pdf

    2023/04/05 ...経常利益の比較では、赤字病院の割合が2021年度より8.3ポイント増加している。 ・経常利益からコロナ、物価高騰関連補助金を除くと、2021年度、2022年度 ...

  • [3] 病院の財務:みんなの医療ガイド | 公益社団法人全日本病院協会

    https://www.ajha.or.jp/guide/7.html

    新と旧の大きな相違点は、「利益金処分計算書」が無くなり、「キャッシュ・フロー計算書」が導入されたことです。 ... 経常利益(又は経常損失), ×××.

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