全日病ニュース

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「中央と支部の連携と情報共有を図り、支部活動を強力に進める」

「中央と支部の連携と情報共有を図り、支部活動を強力に進める」

【第3回定時総会】
5選の西澤会長、委員会体制の見直しを表明。委員に地方の若手起用も明言

 6月20日に東京都内のホテルグランドパレスで開催された全日病の第3回定時総会は2014年度事業報告の報告を受けるとともに、2014年度決算と顧問・参与の委嘱の議案をともに議決、さらに、2017年6月の定時総会までを任期とする次期役員等を選任。
 その結果、理事には立候補した55名全員が、監事には古畑正氏(東京都・古畑病院院長)と五十嵐邦彦氏(東京都・公認会計士)が、議長に木村佑介氏(東京都・木村病院名誉院長)、副議長に宮城敏夫氏(沖縄県・浦添総合病院理事長)が再選された。
 直ちに開かれた会長等選定理事会は西澤寛俊会長の再選を決め、第5次西澤執行部が成立した。(1面記事を参照)

 第3回定時総会には武見敬三参議院議員、羽生田俊参議院議員、中川俊男日医副会長、野中博東京都医師会長が参列し、挨拶した。
 冒頭の挨拶で、西澤会長は、地域医療構想に象徴されるように、地域の医療提供体制構築に対する都道府県の影響力が決定的に強まってきたことに触れ、「今まで全日病は本部の活動が主体であったが、今後は、地域したがって支部の活動がきわめて大切となる。
 我々は、これからは支部の活動を強力に推し進め、その上で、中央と支部のきちんとした連携と情報の共有を図らなければならない」と述べ、今後の制度改革に本部と支部が一体となってあたっていく必要をあらためて説いた。
 承認を受けた2014年度の決算は、経常収益計6億1,534万円に対して経常費用計が5億7,369万円となった結果、経常増減額に4,165万円を計上、13年度に引き続く黒字となった。
 会長として5期目を迎えた西澤寛俊氏は、猪口雄二氏、安藤高朗氏、神野正博氏の現職3人に加えて、織田正道氏と美原盤氏の2人を新たに起用、副会長を5人とする布陣をしいた。
 織田正道氏(佐賀県・織田病院理事長)は2005年4月に理事に就任、2期目の2007年4月に常任理事に選出された。
 以後、プライマリ・ケア検討委員会と国際交流委員会の委員を務めながら、医療従事者と広報の2委員会の委員長という重責を果たしてきた。
 一方、美原盤氏(群馬県・美原記念病院院長)は2009年4月に理事に就き、公益社団法人となった13年6月に常任理事に選出された。群馬県支部長を兼ねる一方、財務・総務、病院機能評価、学術、病院のあり方の4委員会で活動、厚労省にあっては中医協傘下DPC評価委員会の委員を長く務めている。

▲副会長に就任した織田正道氏

▲副会長に就任した美原盤氏

□西澤会長の就任挨拶

 制度改革が非常に速く進められている、これに対する我々全日病の対応は改革のスピードに遅れている。したがって今後の2年間はスピード感を重視してまいりたい。今回の改選で副会長が3人から5人になったが、新たなしかも若い血を入れ、スピード感をもって会務をまっとうしてまいりたい。
 委員会活動は重要であるが、その委員会の構成が今の制度改革に対応できているかを検討、委員会体制を制度改革に対応できるものへと見直していきたい。また、委員には地方の若手の活動家に入っていただきたいと考えている。各支部には、ぜひ、有望な若手を推薦していただきたい。
 2015年度の活動は、来年の診療報酬改定と現在進行中の制度改革への対応につきる。この2つに、ぜひ、スピード感をもって対応していきたい。
 制度改革は病床機能報告制度と地域医療構想の2つが大きな柱であるが、これ以外にも、医療事故調査制度がある。これへの対応もスムーズにしてまいりたい。
 さらに、看護師特定行為の制度もある。特定行為というと、急性期あるいは救急における看護師の役割と思いがちであるが、これからは、地域医療とくに地方において看護師の役割が大きくなるので、特定行為ができる看護師の存在は非常に重要になる。
 全日病は厚生労働省から「看護師の特定行為に係る指導者育成事業」の実施を委託されている。全国8ヵ所で行うのでぜひ参加していただきたい。看護師特定行為研修にもこれから対応を検討していく所存である。今まで以上に協力を賜りながら、一丸となって、制度改革への対応と質の高い医療へ尽力してまいりたい。