全日病ニュース

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総合入院体制加算と「重症度、医療・看護必要度」は議論の深化へ

【中医協16年度改定の議論】

総合入院体制加算と「重症度、医療・看護必要度」は議論の深化へ

(4面から続く) 新たな指定難病も現行の難病と同様に評価してはどうか。
(4)「感染症」に関する論点・一類感染症患者入院医療管理料の評価は発生時に必要な検査・注射等に対応しやすい体系とするとともに、14日までの制限をなくし、入院措置中は算定できるとしてはどうか。
・結核等感染症患者の受け入れ等評価の対象に精神病床を加えてはどうか。
【主な議論】
 この日は入院分科会の最終報告を了承した。診療側は個別事項(1)の論点に概ね同意したが、がん性疼痛緩和指導管理料の研修要件については「経過措置が必要」とした。支払側も個別事項(1)の論点を支持したが、過去改定と同様、禁煙外来の評価に疑問を呈した。

10月23日の中医協総会

◎入院医療(その4)
(1)急性期医療における患者像の評価に関する論点
・手術直後の患者、認知症・せん妄の患者等を含め、急性期に密度の高い医療を必要とする状態が「重症度、医療・看護必要度」等で適切に評価されるよう見直してはどうか。
・併せて、B項目の集約など評価の簡素化を図るとともに、術後の早期離床等の促進や看護職員以外とのチーム医療の推進にも資するよう、評価方法等を見直してはどうか。
(2)総合入院体制加算に関する論点
・精神疾患の患者や認知症患者等を受け入れるよう、体制だけでなく、実際の取り組みや実績も要件に含めてはどうか。
・「1」の化学療法実施件数要件を見直すことについてどう考えるか。
・機能分化を図る観点から、「重症度、医療・看護必要度」A項目のように、病床数に対する医療の提供密度に関する要件を設けてはどうか。
・「2」にも一定程度の実績要件を求めることについて、どう考えるか。
【主な議論】
 「重症度、医療・看護必要度」に見直しに関して、診療側からはA項目に追加する無菌治療室管理加算やB項目から削除される「座位保持」への疑問が示された。「7対1のICU化だ。病床削減の手段になっている」との批判も。見直しの必要を認める診療側委員からも「内科的な指標として無菌治療室はいいが、具体的な内容は吟味が必要」と慎重な議論を求める声があがった。
 総合入院体制加算に関しては見直しの方向に概ね同意する一方、前改定における安易な「1」の新設に対する批判も示され、「重症度、医療・看護必要度」と同様、議論の深化を求める意見が多数を占めた。