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健康確保措置が未実施の場合の行政処分の手順示す

【厚労省・医師の働き方改革推進検討会】最終的にはB、C水準の指定取消し

　厚生労働省の医師の働き方改革の推進に関する検討会（遠藤久夫座長）は９月２日、時間外労働を年1,860時間まで認める特例水準で勤務する医師への実施を義務づける追加的確保措置が履行されない場合の処分の手順について、概ね了承した。
　「面接指導・就業上の措置」は、月100時間以上の時間外・休日労働が見込まれる者が対象になる。面接指導を行う医師としては、産業医のほか、長時間労働の医師の面接指導に必要な知見に係る講習を受けた医師も含むが、医療機関の管理者は含まれない。　休日を含み年1,860時間の上限が認められるＢ水準とＣ水準に該当する医療機関に従事する医師に対しては、月の時間外労働時間数にかかわらず、連続勤務時間制限・勤務間インターバルと、これらが実施できない場合の代償休息が義務化される。
　これらの義務が履行されているかの確認は、医療法第25条第１項に規定する都道府県による立入検査で行う。立入検査は今でも原則、全病院に対して年１回実施されている。
　追加的健康確保措置が未実施であった場合には、改善に向けた取組みが求められる。具体的には、都道府県が医療勤務環境改善支援センターなどを通じ、支援を行うほか、必要に応じ地域医療対策協議会を活用した医師の確保や医療提供体制の機能分化・連携などの措置を検討する。
　それでもなお、追加的健康確保措置が実施されない場合は、都道府県による改善命令が出される。改善命令に従わない場合は、Ｂ水準やＣ水準の取消しや罰則が適用される。この最終手段について厚労省は「伝家の宝刀」と位置づけ、基本的には、あくまで支援を主眼においた段階的な履行確保の枠組みとの考えを示している。
　医師労働時間短縮計画の大枠についても、概ね合意した。計画では、医師の労働時間を正確に把握し、短縮の目標を設定する。PDCA サイクルを回して、毎年度、労働時間短縮の進捗を確認し、取組み状況の自己評価を行う。具体的な取組みでは、「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組み」（2018年２月27日）などが想定されている。2021年度には策定する必要がある。
　また、医療機関の労働時間短縮の取組みを評価する組織を設立する。詳細は未定だが、「都道府県から中立」した組織とする。評価結果は公表され、医療機関にフィードバック。結果を踏まえ、都道府県の勤改センターが医療機関を支援する。委員からは、勤改センターの機能強化を求める意見が相次いだ。