全日病ニュース

全日病ニュース

ホーム全日病ニュース(2019年)第948回/2019年9月15日号医師確保のため手術など特定領域での外国人医師の活用を検討...

医師確保のため手術など特定領域での外国人医師の活用を検討

医師確保のため手術など特定領域での外国人医師の活用を検討

【四病協・総合部会】外国の医学部出た日本人にも配慮

 四病院団体協議会は8月28日、医師の働き方改革に伴う医師確保策のため、外国人医師の活用を検討することを決めた。現行では、日本の医師免許を持たないと日本で医師の業務を行うことはできないが、高度な手術や検査など特定の領域を定めて、限定的に可能にする制度を検討し、政府に提案する考えだ。あわせて、外国の医学部を出た日本人が日本で医師免許を取りやすくする制度見直しなど、日本の医療現場で働く医師を増やす様々な方策を検討していく。
 会見した日本精神科病院協会の山崎學会長は、「医師の働き方改革で医師の労働時間が減る。それで、医師を増やせないとすれば、これまで通りの医療が提供できなくなるのは必然だ。医師を増やすべきだ」と主張した。その上で、「国は将来人口が減少するから医師を抑制しようとする。しかし、もっと大事なのは今日、明日の当直医が病院にいないことではないか」と述べ、医師の働き方改革を控え、病院の勤務医確保が喫緊の課題であると強調した。
 医師確保策として、外国人医師の活用などを検討する。アメリカやイギリスではインド人など外国人医師が一定割合で活躍しているという。言語の問題などがあるが、高度な手技や検査など特定の領域に限ってまかせることなどが想定される。
 外国の医学部を出た日本人が日本で医師免許を取りやすくする方法も検討する。現行では、医師国家試験を受ける前に、受験資格の認定を厚生労働大臣から受ける必要がある。最近は東欧諸国などの医学部に年間100人単位で日本人が入学しているとの報道もあり、厚労省も何らかの対応が必要との見解を示している。
 国は医学部から臨床研修までのシームレスな医師養成システムの構築を目指しており、その推進も求める。山崎会長は、CBT・OSCE(共用試験制度)の整備など臨床実習を重視する試験が充実すれば、現行の医師国家試験は不要になる可能性にも言及した。また、医師国家試験の合格率が9割を下回る状況で、「年2回試験を実施すべき」と述べた。
 これらについて、各団体から2名ずつ委員を選び、9月中に委員会を設置し、議論を開始する見込みだ。医療の消費税問題の抜本解決求める
 四病協の税制改正要望に関しては、8月27日の厚労省が財務省に提出する税制改正要望に盛り込まれなかったものの、「控除対象外消費税問題の抜本的解決」に向けて、引き続き交渉を続けていく姿勢を示した。
 ただし、医療を非課税から課税に転換する場合に、現行の優遇税制の取扱いが課題となる。財務省から診療報酬の所得計算特例措置(いわゆる四段階制)の縮小・廃止などを要求されれば、診療所・歯科診療所と利害が対立してしまう。このため、病院に対する税制と診療所・歯科診療所に対する税制の取扱いを分けることができれば、医療界の意見を一致させることができるとした。

 

全日病ニュース2019年9月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 医師養成過程を通じた偏在対策や働き方改革を議論|第945回/2019 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20190801/news05.html

    2019年8月1日 ... 医師養成過程を通じた偏在対策や働き方改革を議論|第945回/2019年8月1日号
    HTML版。21世紀の医療を ... また、他の委員は、「外国医学部を卒業し日本に戻る
    医師が増えて年百人単位で一学校分に相当する規模になったときく。

  • [2] 医師の働き方改革の中で人員をどう確保するか|第932回/2019年1月 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20190101/news03.html

    2019年1月1日 ... 医師働き方改革の中で人員をどう確保するか外国人を含めて多様な働き手を活用
    控除対象外消費税の問題は .... その背景は様々ですが、来年度以降それがなくなると
    したら、多くの医学部で、女性の入学者が男性を上回るかもしれません。

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。