全日病ニュース

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医師の労働時間短縮効果に期待

医師の労働時間短縮効果に期待

【厚労省・タスクシフト検討会】年内に一定の結論

 厚生労働省の「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」(永井良三座長)は10月23日に、初会合を開いた。医師の業務を他の職種にタスク・シフト、タスク・シェアする具体案を詰め、法改正が必要な事項を含め、年内に一定のとりまとめを行う。
 厚労省は今夏、30団体から医師から他の職種へのタスク・シフティングに関する具体的な提案のヒアリングを行っている。その結果を整理し、業務移管が現行制度の下で、①実施可能な業務②不明確な業務③法改正等が必要なもの─に分けて検討を行う。
 タスク・シフト等は、医師の労働時間短縮を進める上で、最も効果が高いと期待されている。今年3月の医師の働き方改革に関する検討会報告書でも、「現行制度の下でタスク・シフティングを最大限推進」することを明記した。
 医師の働き方改革に関する検討会報告書の詳細を詰めるために設置された医師の働き方改革の推進に関する検討会は、来年の通常国会に提出する法案の内容を決めるため、12月にとりまとめを行う予定。これにあわせ、タスク・シフト検討会も年内に一定の結論を出すが、その後も検討を続ける。
 全日病会長の猪口雄二委員は、具体的な論点として、「救急救命士の院内での活用を論点にしてほしい」と提案。厚労省は、救急救命士については、「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」で議論すると説明した。
 厚労省は11月6日の「救急・災害医療提供体制等のあり方に関する検討会」に、救急救命士が院内で救命救急処置を実施できるようにする案を示している。主に救急外来で、救急救命士を活用することを想定した議論がなされた。多くの委員が賛意を示したが、日本看護協会の委員は慎重な対応を求めた。
 現行法では、救急救命士は救急車内などで救急救命処置を行えるが、院内では実施できない。患者を搬入する際に切れ目なく医療を提供し、医療従事者の負担を減らすことを目指す。救急救命処置だけでなく、診療の補助を行う場合の質の確保も課題となる。

 

全日病ニュース2019年11月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2019年10月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2019/191001.pdf

    2019年10月1日 ... 今回、厚労省が示した論点で、医師. の働き方改革の対応 ... 社会保障審議会医療部会
    永井良三. 部会長)は9月20 .... ループ」(田中滋座長)は9月6日、都. 道府県が在宅
    医療・ ...... 方向性に賛意を示しつつ、病院により. データ提出が可能な ...

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2017年4月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2017/170401.pdf

    2017年4月1日 ... 座長)に、地域医療構想調整会議の具. 体的な議論の進め方の案を示した。厚 ..... 性を
    強調し、厚労省の論点賛意を示. すとともに、報酬の見直しを求めた。 .... ーキング
    グループ」(永井良三座長)は. 3月10日、心血管疾患の回復期から維.

  • [3] NEWS 3/1 - 全日本病院協会

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2013/130301.pdf

    2013年1月18日 ... が新しい制度の環となる」と賛意を表. わすとともに、 .... が、月1回のペースで開かれる
    国民会議で制度改革の議論は進まず、論点の確認・. 整理にすら ..... 座長永井良三
    自治医科大学学長は「次回までにまとめたい」と宣して一人一人に意.

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