全日病ニュース

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評価機能の枠組みを概ね了承

評価機能の枠組みを概ね了承

【厚労省・医師の働き方改革推進検討会】結果は公表

 厚生労働省の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」(遠藤久夫座長)は11月6日、2024年度から施行する医師の時間外労働規制について、特例が適用されるB・C水準(年間1,860時間)の病院が作成する医師労働時間短縮計画の進捗を評価する「評価機能」の枠組みを概ね了承した。ただ、労働時間の短縮が進まない病院の公表方法や、財政負担のあり方で配慮が求められた。
 医師の時間外労働規制の特例であるB・C水準で、特にB水準は暫定措置的な位置づけであり、2036年までに年間960時間のA水準の達成を目指すことになる。B・C水準の病院は医師労働時間短縮計画を作成し、様々な業務改善により、計画的に労働時間短縮に取り組む。B・C水準の指定期間は3年であり、3年に1度は「評価機能」による進捗の評価を受ける必要がある。
 「評価機能」は、都道府県とは中立の第三者機関が担う。医師労働時間短縮計画の項目を元に、労務管理体制や実際の取組み、労働時間数、患者数、医療提供の実態などの項目で、評価する。評価結果は、取組みが不十分との指摘を含め、公表する。ただ、労働時間短縮が進まない病院の評価がそのまま公表されると、長時間労働の病院として認識され、悪影響が生じるので、多面的な視点で公表を行うとした。
 B・C水準の病院は1,500程度と見込まれることから、「評価機能」は1年間に500病院を評価する。このため、訪問調査を行うには、常勤換算で10~15人程度の評価者を確保する組織が必要と、厚労省は試算した。評価者には、医師や看護師、社会保険労務士を想定する。「評価機能」をどの組織が担うかは未定。だが財政面は、基本的には受審する病院が負担する手数料で費用を賄う考えが示された。これに対して、公的支援が必要との意見が相次いだ。
 労働時間短縮計画の実効性を高めるため、病院は都道府県の勤務環境支援センターの支援を受けられる。「評価機能」が、取組みが不十分と病院を評価した場合でも、地域の医療提供体制との関係を含め、支援センターが継続的に支援し、計画の達成を目指す。

 

全日病ニュース2019年11月15日号 HTML版

 

 

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  • [1] 健康確保措置が未実施の場合の行政処分の手順示す|第948回 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20190915/news03.html

    2019年9月15日 ... 厚生労働省の医師の働き方改革の推進に関する検討会(遠藤久夫座長)は9月2日、
    時間外労働を年1,860時間まで ... この最終手段について厚労省は「伝家の宝刀」と
    位置づけ、基本的には、あくまで支援を主眼においた段階的な履行確保の枠組みとの
    考えを示している ... 詳細は未定だが、「都道府県から中立」した組織とする。

  • [2] 「急性期、医療・看護必要度」の妥当性が論点に

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2019/190915.pdf

    2019年10月20日 ... 優先課題推進を含めた重点項目で. は、. 「多様な就労・社会参加の促進」、 .... 遠藤
    久夫座長)は8月23日、特定機. 能病院の承認要件に、第三者評価を受 .... は未定だが
    、「都道府県から中立」した. 組織とする。評価結果は公表され、医.

  • [3] 全日病ニュース・紙面PDF(2017年8月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2017/170801.pdf

    2017年8月1日 ... 地域の入学生を原則地元出身者に限. 定し、地域定着率を高め、医師確保を .....
    に関する検討会」(遠藤久夫座長)は6. 月30日、2025年に向けて増加する ...... また、
    審査委員会の中立性をより強. 化するために、利益相反ルールの厳格.

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