全日病ニュース

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医療法人光仁会西田病院の受審支援

医療法人光仁会西田病院の受審支援

派遣アドバイザー 診療担当 木村 厚 
         看護担当 岩渕 泰子
         事務担当 中嶋 照夫

 当協会では病院機能評価受審促進運動の一環として、今年度当初より種別一般病院1の病院に対し、受審支援活動を展開しています。多少の曲折がありましたが、上記3名の機能評価委員が、令和元年11月22日に佐賀県に所在する標記病院に出向き、受審支援および指導を行ったので報告します。
 当日は曇り空の1日でしたが、満席の早朝便の空路は快適でした。到着後、福岡空港からレンタカーを駆って1時間半、薄墨を刷いたような唐津市の山並みや小島が点在する玄界灘の眺望を楽しみながら病院に向かいました。病院到着後には、早速、診療・看護・事務管理に分かれ支援を開始しました。以下に、各領域の実施内容をレポートします。
●診療部門
 診療部門は、機能評価担当者の検査科の重松科長、薬剤科の藤巻科長を中心に、放射線科、リハビリ科、検査科、栄養科の管理者が参加して行われました。医師は診療のため、院長が最初と最後に顔を出されただけで、参加が無かったために詳しいことはきけませんでした。
 まず、最初の1時間で質問票への答えとアドバイスを行いました。質問は30項目に及び、特に薬剤科からの質問が多く、アドバイザーから答えたものと病院で考えてもらう項目がありました。続いて、病棟、外来を訪問。室内が非常に広く、無理のない作りとなっていました。緊急コールが決められているが、種類が多すぎること、訓練が行われていないことを指摘しました。救急カート内の薬品、器具の種類や配列がカートごとに異なっており、緊急時にあわてるのではないかと思われました。診療録は電子カルテで、量的監査は行っているが、質的監査が行われていないと言われたが、一般病院1では院長などによる点検が時々行われれば良いと申し上げました。最後に、ケアプロセスのアドバイスを看護部門とともに行いました。キーワードは他職種連携によるチーム医療、サーベイヤーと病院との相互のやりとりであると説明しました。
 今回は、主に看護部がプレゼンテーションを行ったが、本番ではまず診療部の医師が始めて、各場面ではそれぞれの担当者が、プレゼンテーションすることが望まれると申し上げるとともに、シナリオを作り、自分たちのペースでプレゼンテーションをすることをお勧めしました。
●看護部門
 看護部門においては、先に事前質問に沿って、情報伝達エラーやクリニカルパス、医師事務補助者の業務手順の必要性、学生実習への対応等についてお答えしました。病棟概要では、医療安全管理、感染管理の視点で巡視し、救急カート、向精神薬の取り扱い、緊急コード訓練等の検討が望まれました。また、ケアプロセス調査では、症例の選び方、電子カルテの操作、身体抑制、退院支援等に課題が見受けられたため、受審するまでに克服することを期待します。参加された皆様からは、やる気がうかがえ楽しく支援させて頂きました。「ワンチーム」が鍵となるでしょう。
 今後も、質向上のために、継続的に支援しますので、全日病を通して連絡頂ければ幸いです。
●事務部門
 事務部門の支援の要諦は、一に各項目で何が必要とされるかではなく、S評価を得るにはどのように準備すべきかについて、4.2.3の項目を例としてお伝えしました。評価の要素を単に満足するのみならず、項目のプレゼンにおいて如何にキラキラ度をアップするかにかかっており、付帯的なデータ提示や、さらには関連学会等での発表の例示も有効ということを話しました。
 次に、マニュアルや規定類の作成要領について、特に病院業務におけるリスクヘッジ(BCP)の問題について説明しました。単に明文化されているのみならず、規定である以上『使える規定』にすべきこと、そのための工夫の仕方などについて支援をしました。
 以上の通り、各領域とも3時間ほどの短い時間ではありましたが、有効な支援活動が展開できたと考えます。当該病院では、本審査に向けて病院一丸となって、ご健闘ください。アドバイザー一同

 

全日病ニュース2019年12月15日号 HTML版