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ホーム全日病ニュース(2021年)第983回/2021年4月1日号新たな感染拡大に備えた病床確保計画求める

新たな感染拡大に備えた病床確保計画求める

新たな感染拡大に備えた病床確保計画求める

【厚労省・事務連絡】緊急避難的な対応では一般医療を制限

 厚生労働省は3月24日、「今後の感染拡大に備えた新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備について」を事務連絡した。いつ来るかわからない新型コロナの次の感染拡大時を想定し、都道府県に病床確保などの体制整備の見直しを求める。一般医療を制限せざるを得ない状態に陥る、今冬の1日あたり最大患者数の2倍程度を見込んだ緊急避難的な対応と、一般医療との両立が可能な体制整備の2本柱で計画の策定を求める。4月中に方針を決定し、5月中に全体の体制整備を完了することを、厚労省は都道府県に要請している。
 3月18日に、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において、「緊急事態宣言解除後の新型コロナウイルス感染症への対応」が決定された。対応の一つに、「一般医療の機能を守りつつ機動的に適切なコロナ医療を提供するための医療提供体制の充実」が盛り込まれた。事務連絡は、その具体的な内容を盛り込んだものだ。
 新たな体制整備ではまず、感染者数の大幅増に備えた対応方針を早急に検討する。今冬の1日あたり最大感染者数の2倍程度を想定し、その時の最大療養者数(入院、宿泊療養、自宅療養の患者)を、国が示す方法に基づき算出。最大療養者数に見合う患者の療養先を確保し、入院・退院調整ができる計画とする。これは、一般医療を相当程度制限せざるを得ない状況で、時限の緊急避難的な対応と位置付ける。
 一方、一般医療との両立を図る対応でも、患者受入れが実際に可能な病床を最大限確保する体制整備を求める。その際、昨夏の療養者数の推計を基本としつつ、現在の確保病床数以上を確保した計画に見直す。医療機関間の役割分担の徹底や医療従事者確保、後方支援病院確保などにより、病床を最大限積み上げ、5月中に新たな病床・宿泊療養計画とすることを要請している。
 その際の地域の協議・合意では、地域医療構想調整会議の場などを活用し、二次医療圏を基本に一定の圏域で協議を行うことを求めている。また、医療機関が確保する最大コロナ病床について、「最終的に、医療機関と個別に書面で合意を得ること」とした。
 新たな計画を実施するため、国は一連の患者対応の状況や一般医療への影響度合いを確認するための項目を示す。具体的には、療養先調整中人数や後方支援医療機関への待機件数などで把握する患者の目詰まり、救急搬送困難事例件数、ICU使用率などをあげ、一般医療への影響を把握する。
 モニタリングにより、新規感染者数の増加が2週間後に、一般医療と両立させる計画で積み上げた病床を超えてしまう見込みの場合や、短期間で急激に感染者が増加する場合は、緊急避難的な対応に切り替える。

 

全日病ニュース2021年4月1日号 HTML版

 

 

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    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2021/210326_1.pdf

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    こととし、. 医療機関間の役割分担の徹底、医療従事者確保、後方支援病院確保
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