全日病ニュース

全日病ニュース

ホーム全日病ニュース(2021年)第983回/2021年4月1日号安藤議員がクラスター発生の場合の支援を要請

安藤議員がクラスター発生の場合の支援を要請

安藤議員がクラスター発生の場合の支援を要請

【衆院・厚生労働委員会】医療計画の記載事項にゾーニングに配慮した一般病床の確保を追加

 自民党の安藤高夫衆議院議員(全日病副会長)は3月24日、医療法等一部改正案を審議した衆院厚生労働委員会で質問に立ち、新型コロナのクラスター対策や医療計画の見直し、医師のタスクシフト/シェアについて質問した。
 安藤議員は、クラスターが発生した病院では、新規入院を止めるなど、経営的に大きな打撃を受けると指摘。コロナ患者を積極的に受け入れていくためにもしっかりと支援する必要があるとして厚生労働省の見解をたずねた。
 山本博司副大臣は、コロナ患者を受け入れる病院が損失を被ることがないように支援することが重要と述べた上で、クラスター発生の場合は、重点医療機関の病床確保料の補助対象とするほか、診療報酬においてもコロナ患者の診療に加算していることを説明。さらに支援を受けても損失が生じた場合にどのような対応ができるか引き続き検討していくと答えた。

医療計画の記載事項で質問
 医療法改正案では、医療計画の記載事項に新興感染症の対応を追加することとしている。安藤議員は、新興感染症に対応できる病床の確保が重要と指摘。新型コロナの経験を踏まえ、既存の一般病床を感染症病床に効率的に切り替えることができる病床のあり方を考えるべきだと主張。「ゾーニングの議論もすべきだ」と述べて、政府の見解を質問した。
 厚労省の迫井正深医政局長は、新型コロナの病床確保に当たって感染者と非感染者が交わらないように時間的・空間的分離(ゾーニング)が重要と述べるとともに、既存の一般病床を活用することが有効とし、医療計画の記載事項として、ゾーニングをはじめとする感染防御対策に配慮した一般病床の確保を追加する考えを説明。詳細な内容は今後検討したいと答えた。
 安藤議員は、エビデンスに基づく建築・設計基準のガイドライン及びハード面の整備に対する補助が必要と要請した。
 また、安藤議員は感染が拡大した際の対応を質問。東京では1月に2,500人を超える新規感染者があったが、今後これを上回る可能性もあると予想。重点医療機関が満床になった場合、症状が改善した陽性患者の転院も必要になるとし、退院基準を満たさない患者の転院も検討する必要があると述べた。
 迫井局長は、新型コロナの対応において、各病院が機能に応じて役割を果たしていることを示した上で、コロナ患者の受入体制を確保するには、医療機関間の役割分担と連携が重要であると説明。地域の医療機関における役割分担や患者の状態に応じた円滑な転院など、医療機関の連携のあり方を医療計画の記載事項に加えることを想定していると答えた。
 また、安藤議員は、医師の働き方改革を進めるためのタスクシフト/シェアについて質問。迫井局長は、診療放射線技師など4職種について法改正を行い、業務範囲を拡大することを説明したほか、看護師特定行為研修修了者の活用を図っていくと述べた。

 

全日病ニュース2021年4月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 一般病床において 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)もしくは ...

    https://www.ajha.or.jp/topics/novel_coronavirus/pdf/210219_9.pdf

    2021年2月15日 ... 広島県新型コロナウイルス感染症医療福祉クラスター対応班 ... BPSD、せん妄の
    予防や治療にあたっては、非薬物的対応のエビデンスが最も ... ゾーニング(生活
    空間などの区分け)を行う際、可能であれば、行動可能な.

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2020年9月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2020/200901.pdf

    2020年9月1日 ... 日本病院会. 副会長の島弘志委員は、「急性期一般. 入院料4については元々、
    経過措置が. 来年3月末までになっており、それに. 合わせることになり、厚労省
    の提案は. 妥当」と述べた。 しかし、支払側からは異論が出た。 経過 ...

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。