全日病ニュース

研修医の想定最大労働時間数を一覧表で示す

【医道審・臨床研修部会】医師の時間外労働の特例

　医道審議会の医師臨床研修部会は９月24日、医師の時間外労働の上限規制における臨床研修医への対応について、臨床研修プログラムに年間の想定労働時間を記載し、一覧表にして示す案を了承した。2024年度からの医師の時間外労働規制の実施を踏まえ、遅くとも、１年次が2024年度になる2023年度募集の臨床研修プログラムに、想定労働時間の明示を行うことにする。
　医師の働き方改革関連の検討会での整理では、臨床研修医に対しては上限が年1,860時間となるC-1水準の適用が特例的に認められる。臨床研修プログラムの想定最大時間数が年960時間を超える臨床研修病院は、そのことを明示し、特例対象の指定を受けた上で、臨床研修医を採用する必要がある。
　臨床研修においては、複数医療機関にまたがるプログラムが多数存在することから、各施設における時間外・休日労働時間を明示することになる。厚生労働省は、臨床研修プログラムにおける基幹病院と各協力病院の想定労働時間数を明示する一覧表を例示。委員の合意を得た。労働時間だけでなく、おおよその当直・日直回数も記載するとしている。
　医師の時間外労働規制が適用される2024年度以降に、１年次の研修が実施される2023年度募集の臨床研修プログラムに、一覧表を明示する。すでに特例の指定を予定する臨床研修病院もあり、2022年度募集の臨床研修プログラムでの記載が望ましいことも示した。
　また、「国際医療拠点」の実現を目指す千葉県と国際医療福祉大学に対し、臨床研修制度における配慮を行う提案が厚労省からあった。国際医療福祉大学の留学生20名が、国際医療福祉大学成田病院で確実に臨床研修を受けることができるように、2023年度の都道府県別の募集定員上限を定める際、必要な定員を千葉県に加算するとともに、研修医の募集・採用を医師臨床研修マッチング前に行うという提案だ。
　しかし、全日病副会長の神野正博委員など多くの委員が、提案を了承するには納得できる説明が不十分と指摘し、引続きの検討事項となった。