全日病ニュース
病床過剰地域の認定再編計画の特例を了承
病床過剰地域の認定再編計画の特例を了承
【厚労省・地域医療構想等WG】医療機関同士の施設の共用でも特例
厚生労働省の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」(尾形裕也座長)は3月1日、地域医療構想に沿った病院再編の取組みを後押しするため、認定再編計画の枠組みを利用した場合の、医療法の施設基準や病床過剰地域における特例を大筋で了承した。
認定再編計画とは、地方厚生局長が認定する地域医療構想調整会議の合意を得た病院再編計画で、税制・金融上の優遇措置を受けられる。
医療法の施設基準の特例では、医療機関に併設する介護医療院の取扱いを参考に、複数医療機関が医療法で定める施設の一部を共用できることを認める。ただし、各医療機関が同一の地域医療連携推進法人に参加していることを条件とする。また、すべての医療機関が、出資持分のある医療法人により開設されていないことも条件となる。
医療機関に併設する介護医療院では、診察室、処置室、エックス線装置等の共用が特別に認められている。
また、病床過剰地域での医療機関の再編統合のうち、「勧告をしない」ことが適当と認められる場合を明確化する。
具体的には、病床過剰地域で複数の再編統合を行う場合、その前後で病床数の合計数が増加しなければ、勧告を行わないことを通知で明確化する。ただし、病床過剰地域であることから、原則、稼働していない病床数は除いた範囲とする。
同日のワーキンググループでは、石川県と大阪府の地域医療構想の取組み、一般財団法人三友堂病院(米沢市)の重点支援区域における地域医療構想の取組みが紹介された。
全日病会長(日本医師会副会長)の猪口雄二委員は、大阪府の構想区域である二次医療圏の大阪市について、「(人口が多いため)東西南北4つの基本医療圏に分けて議論しているとの説明であったが、二次医療圏そのものを4つに分割する考えはないのか」と質問。大阪府の担当者は、「医療計画全体でも大阪市を二次医療圏として医療提供体制を整えている。大阪市を一つの二次医療圏と考えたい」と回答した。
全日病副会長の織田正道委員は、石川県の担当者が、地域医療構想の取組みにおいて、「医療機能(の選択)や病床機能報告(病床数)の議論に偏るのではなく、『地域固有の課題』の解決策を考えることが重要」と説明したことに対し、「とても大事なことだ」と指摘した。
全日病ニュース2023年3月15日号 HTML版
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