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ホーム全日病ニュース(2023年)第1029回/2023年4月1日号2024年度診療報酬改定で5項目の要望書

2024年度診療報酬改定で5項目の要望書

2024年度診療報酬改定で5項目の要望書

【日病協】病棟における介護専門職の評価も求める

 日本病院団体協議会は3月24日、2024年度診療報酬改定の要望書(第1報)を加藤勝信厚生労働大臣に提出した。第1報では、個別項目に関する要望には立ち入らず、実現するには大きな予算を必要とするものを含め、入院基本料の引上げなど5項目を要望した。
 新型コロナ対応の感染症法上の位置付けが変更され、ウィズコロナ時代の地域医療が求められている。一方で、光熱費の高騰に加え、諸物価の上昇により、医療提供コストの大幅な上昇が続き、病院経営は逼迫している。また、岸田文雄首相が年頭に示した賃上げの実現要請に応えるため、医療従事者の処遇改善も課題となっている。
 さらに、医師の働き方改革、医療DX の推進、感染症対策など病院が対応しなければならない課題が山積している。これらを踏まえ、5項目を要望した。

①入院基本料の適切な引上げ
 エネルギーコストの上昇、物価上昇など医療提供コストの上昇に対応し、かつ医療従事者に対する適切な処遇改善を実現するために、大幅な入院基本料の引上げを要望する。

②感染症対応のためのさらなる評価
 病院には、病床種別を問わず高齢で基礎疾患を抱える多くの患者が入院しており、今後も新型コロナに脆弱な患者を守りながら、地域医療を提供することが求められる。第8次医療計画に新興感染症が事業として加えられることもあり、病院が適切な感染対策を継続していくことができるよう、診療報酬上のさらなる評価を要望する。

③病院のICT 推進のための評価
 現在、国が進めている医療DXの推進は、今後の効率的な医療提供体制の構築に非常に重要。しかし病院の電子カルテ、オンライン資格確認システム、電子処方箋システムなどの導入・維持管理は、病院経営の大きな負担となっている。また、昨今のサイバー攻撃へ対応するためのサイバーセキュリティー体制の構築にも、多額の費用がかかる。改めて、病院におけるICT推進のための適切な評価を要望する。

④適切な食事療養費の設定
 入院時食事療養費は、過去20年以上にわたり一食640円に据え置かれている。食材費、光熱費の高騰や人件費の増加により、近年、ほとんどの病院で病院の給食部門は赤字に陥っている。入院時食事療養費の適切な水準への引上げを、強く要望する。

⑤病棟における介護専門職の評価
 近年、介護が必要な入院患者の割合が増加している。増え続ける高齢患者に対応するには、病院内で介護業務を担うスタッフの確保が不可欠。しかし病院の介護職は看護補助者と位置づけられ、国家資格を持った介護福祉士など専門職がやりがいを持ち専門性を発揮し働くことが難しく、病院の介護人材確保が非常に困難となっている。病院医療で、適切に介護専門職が位置づけられ評価されるよう要望する。

 

全日病ニュース2023年4月1日号 HTML版

 

 

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