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19項目の税制改正の重点事項を要望

19項目の税制改正の重点事項を要望

【四病協】医療DX対応及び省エネ対策の設備投資等への税制措置は新規

 四病院団体協議会は8月24日、2024年度税制改正要望の重点事項を加藤勝信厚生労働大臣に提出した。19項目の税制改正要望を行っている。新規の重点項目としては、「医療機関における医療DXへの対応及び省エネルギー対策への設備投資等に対する税制措置」を要望している。
 要望書では、新型コロナの影響による経営悪化に拍車がかかっている中で、光熱費をはじめとした物価高騰が続いており、医療機関のコストが大幅に上昇していることを訴えた。将来の新興感染症に対応できるだけの設備投資や消耗品等の支出増も、利益率の低い医療機関経営に重くのしかかっている。
 さらに、超高齢社会において、各年代に応じた医療ニーズに対応するための医療体制を維持する上で、医師、看護師などの医療人を養成、確保しなければならない。そのための税制の支援も十分ではないとしている。特に、医療に係る消費税制における不備を指摘し、消費税率10%超へのさらなる引上げも想定される中で、この問題を抜本的に解決する措置を改めて要望した。
 新規の「医療機関における医療DXへの対応及び省エネルギー対策への設備投資等に対する税制措置」は、「医療機関における医療DXへの対応及び省エネルギー対策のための設備投資等(建物附属設備、構築物、器具備品、ソフトウェア)について、即時償却または税額控除を選択適用できる措置、一定期間の固定資産税(償却資産税)の非課税措置の創設」を求めるもの。
 政府の工程表に定める医療DXでは、「全国医療情報プラットフォーム」の創設、電子カルテの標準化等、診療報酬改定DXなどを推進している。これらを医療機関に導入する際には、必ず負担が生じる。要望書では、その費用は全額国費であるべきだと主張している。現在、医療情報化支援基金などによる補助金が交付されているが、その補完する施策として、医療設備のデジタル化などに資する設備投資を支援する税制措置を要望した。
 また、国が定める公定価格により経営を行っている医療機関は、電気やガスのエネルギー価格の高騰の影響を強く受けており、医療機関が省エネルギー効果の高い設備などの取得を支援する税制措置を要望した。
 そのほかの要望項目は、以下のとおりとなっている。
 ◇社会保険診療報酬等の非課税に伴う控除対象外消費税問題の抜本的な解決◇医療機関に対する事業税の特例措置の存続◇認定医療法人制度の存続と認定期限の緩和等◇持分のある医療法人に係る相続税・贈与税の納税猶予・免除制度の創設◇社団医療法人の出資評価の見直し◇社会医療法人に対する寄附金税制の整備および非課税範囲の拡大等◇医療法人の法人税率軽減と特定医療法人の法人税非課税◇特定医療法人の存続と要件の緩和◇訪日外国人向け医療提供体制の整備と医療税制の整合性の確保◇介護医療院への転換時の改修等に関する税制上の支援措置の創設◇中小企業関係設備投資減税の医療界への適用拡大◇病院用建物等の耐用年数の短縮◇医療機関同士での再編による資産の取得を行った場合における登録免許税及び固定資産税の軽減措置◇医療従事者確保対策用資産および公益社団法人等に対する固定資産税等の減免措置◇新型コロナウイルス感染症の影響による税金等の納付猶予期間の延長◇欠損金の取扱いの拡充◇感染対策のための設備投資、消耗品等の支出への税制上の支援措置◇医療機関を運営する財団法人の純資産額による解散措置の緩和について─。

 

全日病ニュース2023年9月1日号 HTML版

 

 

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