全日病ニュース

院内がん登録の中間とりまとめを了承

【厚科審・がん登録部会】他の公的データベースと連携可能な加工基準を明確化する方針

　厚生労働省の厚生科学審議会がん登録部会（辻一郎部会長）は８月10日、全国がん登録及び院内がん登録に係る課題と対応方針の中間とりまとめ案を了承した。部会長預かりで修文され、公表される見通し。前回までの議論を踏まえ、がん患者の個人情報を保護しながら、他の公的データベースとの連携も可能となる適切な加工基準を法令またはガイドラインなどで明確化する方針が示された。
　マイナンバーの活用については、「他の公的データベース等との連結解析の検討においては、被保険者番号から作成されるIDを用いることが想定されるため、当該IDを利用することが、より実現性が高いと考えられる」と明記。「被保険者番号または被保険者番号から生成されるIDを、全国がん登録における収集項目に追加することについて検討するべき」とした。
　委員からは、被保険者番号の利用に賛成した上で、「頻回に被保険者番号が変更される場合があることから、被保険者番号の突合では解析の精度が低下する懸念がある。本来的にはマイナンバーを利用すべきではないか」との意見があがった。厚労省は「これまでの議論の一旦のまとめとして、『当面の間は被保険者番号から作成されるID を用いることを検討すべき』としている。適宜新しい検討や見直しを新たに議論していただきたい」と説明した。
　また、同日の部会では委員の変更が報告された。９名の委員が退任し、新たに８名の委員が就任した。全日病の中村康彦副会長は委員を続投する。辻一郎・東北大学大学院医学系研究科客員教授も引き続き部会長を務めることになっている。