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高齢者救急受入れの新たな入院料を提案

高齢者救急受入れの新たな入院料を提案

 厚生労働省は12月15日の中医協総会(小塩隆士会長)に、2024年度診療報酬改定に向けて、高齢者の救急患者に対応するため、新たな入院料を念頭に、「必要な人員体制等により救急患者等を受け入れる体制を整え、リハビリ、栄養管理、入退院支援、在宅復帰等の機能を包括的に担うことを評価すること」を論点として提示した。
 これまでの議論で、急性期入院医療の機能分化の観点を含め、高齢者救急の受入れ先として、看護配置7対1の急性期一般入院料1ではなく、地域包括ケア病棟などでの受入れを推進することを模索する議論が行われてきた。しかし、地域包括ケア病棟など13対1の看護配置では、高齢者の救急搬送を十分に受け入れることは難しいとの意見が出ていた。このため、高齢者救急への対応や高齢者のケアに必要な体制を備えた病棟を新たに類型化して評価することが課題となった。
 例えば、急性期一般入院料4(10対1)と地域包括ケア病棟入院料1(13対1)の間に、新たな入院料を設けるイメージとなる。
 これに対し、診療側から「包括的な評価を設定するのなら、施設基準や点数を確認し、そのような機能が担える水準であるのかを確認したい」(太田圭洋委員・日本医療法人協会副会長)との意見が出た。支払側の健康保険組合連合会理事の松本真人委員は、「急性期病棟にも地域包括ケア病棟にも高齢者救急受入れにおける課題がある。10対1を想定し、包括的な機能を発揮する病棟が必要」と賛意を示した。
 12月20日の中医協総会では、医療機関と高齢者施設との連携などに関する論点が示された。
 高齢者施設の協力医療機関の医師が、入所者の病状の急変時に施設の職員などから求められた往診を行い、必要があれば入院を受け入れることを評価する提案に、診療側は賛成し、支払側も一定の理解を示した。
 ただ、介護保険施設が定期的に開催する入所者の情報共有を行う会議への参加を要件化することには、日本医師会常任理事の長島公之委員が難色を示した。「協力医療機関と介護保険施設が同一法人・関連法人である等の特別の関係にある場合は除く」という要件に、太田委員は慎重な検討を求めた。

 

全日病ニュース2024年1月1日・15日合併号 HTML版

 

 

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