全日病ニュース

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ホーム全日病ニュース(2014年)第824回/2014年5月15日号終末期医療のガイドライン使用に関す

終末期医療のガイドライン使用に関する調査結果と今後の活動について
ガイドラインの周知・利用割合は微増。終末期医療への対応は不十分

終末期医療のガイドライン使用に関する調査結果と今後の活動について
ガイドラインの周知・利用割合は微増。
終末期医療への対応は不十分

会員病院にとどまらず、今後は、広く国民にもその普及を図っていきたい

病院のあり方委員会委員長 徳田禎久

 

 当協会は、平成21年に「終末期医療に関するガイドライン~よりよい終末期を迎えるために~」を策定し、その普及に努めてきた。
 このガイドラインにおいて、終末期の定義や医療行為をどこまで行うかという基準、患者の意思表明や意向を尊重し、医療をいかに開始・継続・中止すべきかを示した。
 本ガイドラインの活用状況を明らかにするために、平成21年に、会員病院に対するアンケート調査を実施した。
 回収率は20.9%(479病院/調査当時2,284病院)で、終末期医療ガイドラインを作成している病院は24.2%、本ガイドラインを知っていた病院は44.5%、本ガイドラインを使用していた病院は23.0%、という結果であった。
 今回、本ガイドラインの利用状況の経年変化を知るために、平成25年9月に再びアンケート調査を実施した。
 その結果、回収率は22.6%(549病院/調査当時2,433病院)と平成21年とほぼ同様であり、終末期医療ガイドラインを作成している病院は36.2%、本ガイドラインを知っていた病院は49.7%、本ガイドラインを使用していた病院は27.1%であった。
 前回と今回の調査を比較すると、本ガイドラインの周知と使用の割合は共に微増している。
 しかし、依然として本ガイドラインが十分に活用されているとは言えない。
 また、ガイドラインを策定しない理由として「必要であるが、終末期は個々によって異なり、一概に道筋は示せない」等の意見もあったが、終末期医療に関する全日病会員の意識は必ずしも高くはない事も判明した。
 報告書全文を全日病のホームページに掲載しているので、是非ともご覧いただきたい。
 病院のあり方委員会は、この結果も踏まえ、改めて、終末期医療にしっかりとした対応をすべきであると考えている。
 具体的には、有識者を交えた座談会を開催して終末期医療の現状とあり方や今後のガイドラインの普及等について議論し、理事会の承認を得た上で、会員のみならず、広く国民にもその利用を広報する方針で臨むこととした。