全日病ニュース

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一般・療養は面積基準を廃止。夜間職員13対1と13診療科は対象外

一般・療養は面積基準を廃止。
夜間職員13対1と13診療科は対象外

スプリンクラー設置義務
既存建物は2025年7月からの適用。基準案確定から実質11年間の猶予

 スプリンクラー設備の設置義務化など医療機関の防災対策を検討する消防庁の有床診療所・病院火災対策検討部会は6月19日に報告書をまとめ、スプリンクラー設置義務の新たな基準を定めた。
 病院に関しては、これまで3,000m2未満の病院は設置が義務化されていなかったが、一般病床と療養病床に関しては面積基準をなくし、設置を義務づける。精神、感染症、結核の各病床を一部有するものも含まれる。
 ただし、夜間に13床当たり1名の職員(事務職を含む)を従事させている施設や、患者が避難困難でないと考えられる13診療科(産科、婦人科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、皮膚科、歯科、こう門外科、泌尿器科、小児科、乳腺外科、形成外科、美容外科)のみの施設は設置義務の対象外となる。
 また、防火区画を設けたり、燃えにくい材料の内装をこらして延焼を抑制する施設も対象外とされた。
 有床診(療養病床または一般病床)は義務化の対象を現行の6,000m2から3,000m2に引き上げた上、夜間人員に関係なく、4床以上に設置を義務づける。特定13科診療科や延焼抑制の施設は病院と同様に適用除外とされた。
 このほか、150m2以上とされてきた消火器の設置基準は、入院設備を有する医療機関については「すべての施設」に、500m2以上とされてきた火災報知設備(火災通報装置等)の設置基準も同様に「すべての施設」と改正される。
 安藤委員(医療法人永生会理事長・全日病副会長)は、「13床当たり職員1名という配置は実際の火災で意味のあるデータといえるのか」と発言、新たな基準はなお検討の余地があるという意見を表明した。
 新基準は7月から8月にかけてパブコメにかけられ、8月に消防法施行令の改正を閣議決定し、公布となる。
 新基準は新建築については2016年4月の適用となるが、既存の建物は25年7月からの適用と9年間余の経過期間が設けられ、基準案の確定から実質11年間の猶予が認められる。