全日病ニュース

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選定療養対象の検査や実費サービスの範囲拡大を通知

選定療養対象の検査や実費サービスの範囲拡大を通知

 厚生労働省は6月24日付けで、透析治療で個室を使用した場合などを選定療養の対象とし、患者からの差額徴収を認める内容の通知を厚生局に送った(保医発0624第3号)。
 通知は、外来医療でも療養環境の向上に対するニーズが高まりつつあるとし、一定の要件を満たす診察室などについて、「妥当な範囲の負担を求めることを認める」と明記。概ね1時間を超える治療において差額徴収を認めるとし、外来の特別な療養環境として、①完全な個室(間仕切りによる区画化は不適)、②静謐な環境下で受診できる構造設備の確保を満たすこと等の要件を示した。
 また、選定療養として認められる検査の範囲を拡大。患者の不安を軽減する必要がある場合に回数制限を超えて行われる腫瘍マーカー検査として、現在認められているAFP、CEA に加えて、比較的頻繁に測定され、特異度が高いPSA、CA19-9を加えた。
 そのほか、予約診察を行う時刻について、夜間・休日・深夜でも差し支えないとした(時間外・休日・深夜加算は算定できない)。
 また、24日付けで、「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の改正を通知(保医発0624第3号)。タミフルやリレンザなどの予防投与について患者に費用請求できることを示した。
 同通知は、患者に実費を請求できる行為や物品の範囲を示すもので、今回、「感染症の予防に適応を持つ医薬品の投与」が対象に追加された。既にインフルエンザの予防接種は実費請求が認められているが、タミフルやリレンザといった内服薬の予防的投与も同様の取扱いであることを明確化した。
 そのほか、「患者都合のキャンセルにより使えなくなった検査薬剤」「院内託児所の利用料」「手術後のがん患者に対する美容・整容の実施・講習」「有床義歯への刻印(刻印・プレートの挿入等)」も「療養の給付と直接関係ないサービス等」に追加。実費請求の手続きは従前どおり、院内掲示や患者の同意書面が必要となる。

 

全日病ニュース2016年8月1日号 HTML版

 

 

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  • [1] 選定療養に導入すべき事例の整理案示す|第872回/2016年6月1日号 ...

    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160601/news11.html

    2016年6月1日 ... 透析治療等で長時間の治療の場合に差額ベッドの徴収認める方向 ... 概要)入院中の
    患者等について、治療中の疾病または負傷に対する医療行為とは別に、タミフル
    リレンザ等の感染症の予防に適応を持つ医薬品の投与を行うもの(対応 ...

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年6月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160601.pdf

    2016年6月30日 ... づく報告徴収等の積極展開など行政機. には構想区域を中心に圏域を一本 ..... 為とは
    別に、タミフルリレンザ等の. 感染症の予防に適応を持つ ... 透析治療等で長時間の
    治療の場合に差額ベッドの徴収認める方向. 中医協. 地域連携診療計画 ...

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