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厚労省が社会福祉法人制度改革説明会を開催

厚労省が社会福祉法人制度改革説明会を開催

【日本専門医機構】
評議員数経過措置の対象に「2015年度収益4億円以下」の法人を予定

 厚生労働省は7月8日に「社会福祉法人制度改革の施行に向けた全国担当者説明会」を開催、都道府県、指定都市、中核市の社会福祉法人担当者に、社会福祉法人制度の改正事項について説明した。
 説明の中で厚労省は、会計監査人の設置が義務化される社会福祉法人の基準について、施行までの準備期間が短いことから、「収益10億円以上又は負債20億円以上」(社会保障審議会福祉部会報告書)をベースとした上で、その範囲を段階的に拡げていく考えを示した。
 この3月に成立・公布された社会福祉法等一部改正法において、社会福祉法が改正され、社会福祉法人の経営組織の見直し、事業運営の透明性の向上、財務規律の強化などを図ることになった。
 改正法の一部は今年4月1日に施行されたが、社会福祉法人制度にかかわる部分は来年4月に施行される。
 社会福祉法人を管轄する厚労省の社会・援護局福祉基盤課は、6月20日付で「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項」ほか4件の事務連絡を発したほか、留意事項に関するFAQ も示しているが、会計監査人が必置あるいは社会福祉充実計画の作成が求められる法人の各基準や控除対象財産の算定方法など、詳細が明らかになっていない事項が多い。
 この日の説明会で厚労省は、6月20日付事務連絡の内容を解説する一方、社会福祉法人制度改革施行のスケジュールを示し、主要な事項に関しては10月に政省令と関係通知を予定していることを明らかにした。
 説明会の最初に挨拶した田中徹社会福祉法人制度改革推進室長は、「改正法の成立が遅れたこともあって、制度改革の内容が社会福祉法人に知られていない。各自治体では、説明会等を開催して各法人に社会福祉法人改革の内容を分からせ、準備に努めるよう訴えてほしい」と述べた。
 また、説明に当たった担当官は、全法人を対象に、11月と来年1月の2回にわたって改正事項の施行に向けた準備状況を調査する計画を示すなど、厚労省として、各法人の準備状況をウオッチする考えを明らかにした。
 今回の改正によって、すべての社会福祉法人に議決機関としての評議員会の設置が義務づけられる。理事と評議員の兼務は認められなくなった。そのため、未設置の社会福祉法人は2016年度中に評議員(「理事の員数=6人以上」を超える数)を選出しなければならないが、既に設置されている法人では、既存評議員の任期は施行日の前日(2017年3月31日)に満了することになる。
 この評議員の数について、小規模な法人は施行から3年間は「4人以上」とする経過措置が認められたが、この小規模法人について、厚労省は「平成27年度収益が4億円以下の法人とする」ことを示唆した。
 改正法によって、評議員、理事、監事・会計監査人について、新たな員数や資格要件、選任・解任方法、任期、兼務関係等の規定が定められた。その内容は6月の留意事項で示されているものの複雑だ。説明会で厚労省は、これらの関係を整理した一覧表を資料として示した。
 また、一定規模(会計監査人と同基準)の社会福祉法人に義務化される「内部管理体制の整備」に関しても、留意事項に示した内容と内部管理体制整備にいたる流れを、資料で示している。
 その上で6月の事務連絡で示した「定款例」について説明。「改正後の社会福祉法人の認可基準はあらためて10月に通知改正で示す。その際、租税特別措置法における公益法人等に財産を寄附した場合の譲渡所得等非課税の特例との関係や所轄庁における定款の確認方法等も示したい」とした。

 

全日病ニュース2016年8月1日号 HTML版

 

 

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