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地域包括ケア病棟の機能に応じた評価などを議論

地域包括ケア病棟の機能に応じた評価などを議論

日病協・代表者会議DPC制度では激変緩和措置に懸念

 日本病院団体協議会は7月25日、代表者会議を開き、最近の厚生労働行政をめぐり、意見を交わした。特に、中医協で論点になっている地域包括ケア病棟の機能に応じた評価やDPC 制度の見直しなどに関し、活発な議論を行った。また、日本慢性期医療協会(武久洋三会長)の推薦で、地域包括ケア病棟協会が日病協に入会の意向を示していることが報告された。
 7月21日の中医協の入院医療等の調査・評価分科会(武藤正樹分科会長)で地域包括ケア病棟が議題となり、同病棟に期待される①急性期からの受入れ(ポストアキュート)②在宅・生活復帰支援③緊急時の受入れ─の3つの機能のうち、①だけを担う病院が多いことから、地域包括ケア病棟の機能を分けることが論点となった。具体的には、「急性期病棟等と連携して患者を受け入れる機能」と「自宅等から患者を受け入れ在宅療養を支援する機能」の違いが課題となった。
 これに関し、同日の日病協では、結論は出なかったものの、様々な意見が出た。特に、急性期からの受入れの方が、診療密度が低いと考えられるため、「ポストアキュートの点数が下げられるのではないかと恐れている」といった意見が出た。一方、2016年度改定で手術等を出来高にしたにもかかわらず、実績が少ないことを含め、地域包括ケア病棟を緊急時の受入れで使う病院に対する評価も、中医協の支払側が、点数が高いと主張していることから、「厳しい交渉になる」との指摘が出た。「リハビリを提供する機能をしっかりと位置づけるべき」との意見も出た。
 原澤茂議長は終了後の会見で、「次期改定では、これが目玉の1つになるのは間違いない」と述べた。
 DPC 制度の見直しでは、調整係数が機能評価係数Ⅱなどに完全に置き換わることに伴う激変緩和措置に対する懸念が出た。7月19日の中医協のDPC 評価分科会(山本修一分科会長)で、新たな激変緩和措置の対象期間に一定の上限(例えば1年)を設けることが論点になったためだ。DPC 対象病院になる前の出来高収入がそのまま保障されることを防ぐ措置だが、「経営にどれだけの影響があるかを金額ベースで検証する必要がある」との意見が出た。
 また、重症度係数が廃止となり、診断群分類で重症度を反映させるCCPマトリックスもまだ全面導入には至らないことから、DPC / PDPS に反映されにくい、重症患者への医療提供の配慮が、激変緩和措置で担保されるのかという点についても懸念が出た。

 

全日病ニュース2017年8月15日号 HTML版

 

 

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