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在宅医療推進の課題を「7つの柱」に整理

在宅医療推進の課題を「7つの柱」に整理

【全国在宅医療会議】今後の取組み方は引き続き検討

 2025年に向けて在宅医療体制を推進するために、関係団体等の認識共有と自主的取組みを図る場として設置された厚生労働省の全国在宅医療会議(大島伸一座長)は4月25日に第4回の会合を開き、ワーキンググループ(WG)がまとめた「重点分野に対応していくための課題整理と『7つの柱』の策定(案)」について議論した。
 在宅医療提供者、学術関係者、行政が一体となって在宅医療の提供体制整備と国民への啓発普及を進めていくことが同会議設置の目的。そのために同会議は、①在宅医療の医療モデルを構築する、②在宅医療の普及啓発モデルを構築する、③在宅医療に関するエビデンスを構築する、という3点を重点分野に設定した。
 一方、同会議は、在宅医療に関する実践報告と提起すべき課題を関係団体・学会から集めた。これを同会議に付設されたWGがテーマ別に整理、重点分野につなげることを念頭に「7つの柱」を策定した。

 重点分野に沿って課題を整理
 7つの柱は、①地域の病院と在宅医療との協働体制の構築、②行政と関係団体との連携、③関係団体同士の連携、④ICT等最新技術の活用(以上4項目が「医療連携モデルの構築」につながる)、⑤国民への在宅医療に関する普及・啓発、⑥在宅医療に関わる関係者への普及・啓発(以上2項目が「普及啓発モデルの構築」につながる)、⑦在宅医療の実践に関する研究及び教育(「エビデンスの構築」につながる)。
 なお、「7つの柱」のうち、「国民への在宅医療に関する普及・啓発」に関しては、WG内に小グループを設置して、具体的な取組みを集中的に検討することとした。
 WGでは、重点分野に関する中長期的目標の設定についても議論があったが、「目標」という考え方はとらず、3重点分野の推進につながる目安として位置づけて「7つの柱」としてまとめ、この日の会議に諮った。
 厚労省は、「7つの柱」を踏まえて、関係団体・学会に既存の取組みの見直しや新たな取組みの検討を求めるとともに、今夏あるいは今秋の同会議で先進的な実践を報告し、さらに年度内には各団体の取組み状況を発表してもらう方針を表明した。
 「7つの柱」に対して、構成員からは概ね支持する声があがる一方、「介護の取組みが位置づけられてない」「目指すべきは在宅医療ではなく地域包括ケアではないか」など、違和感を示す意見もあった。このため、同会議は「7つの柱」に沿った関係団体の取組み方について、引き続きWGで議論を深めていくことを確認した。

 

全日病ニュース2018年5月15日号 HTML版

 

 

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