全日病ニュース
令和時代の社会保障改革の道筋を提言
令和時代の社会保障改革の道筋を提言
自民党PTが「新時代の社会保障ビジョン」をまとめる
自民党厚生労働部会(小泉進次郎部会長)に設置された「全世代型社会保障改革ビジョン検討プロジェクトチーム」は4月18日、党本部で会合を開き、「新時代の社会保障ビジョン」をまとめた。ビジョンは、勤労者皆社会保険、人生100年時代年金制度、医療・介護の提供体制改革など、7つの改革を示している。
プロジェクトチームがまとめたビジョンは、令和の時代の社会保障改革として、人生100年時代や人口減少社会に対応した、新しい「この国のかたち」の基礎となる改革が必要と主張。一定の年齢以上を一律に「高齢者」「支えられる側」とする現在の構造を維持したままでは、財政の持続可能性に影響するだけでなく、生き方や働き方の多様化に対応できないと指摘する。その上で、給付削減か負担拡大かという発想を超えて、「支える側」と「支えられる側」のバランスを回復する「第3の道(リバランス)」を提案した。
そのために就労を阻害する、あらゆる「壁」を撤廃し、「働いても損しない仕組み」に転換することで、経済社会の担い手を増やし、受益と負担のバランスを回復して社会保障制度の持続可能性を高める考えを示す。
「年齢の壁」を超えるために、現役世代と高齢者の概念を見直し、エイジフリーで活躍できる環境を整備することを提案。現役世代が抱える課題をカバーする仕組みとして、子育て支援や若者の就労支援が重要であるとした。年齢ではなく、負担能力に応じて負担割合を決める範囲を拡大すべきとしている。
また、「制度の壁」を超えるために、生き方・働き方の多様化に対応して、「選択を支える社会保障」を目指すべきと主張。制度のタテ割りを超えて、必要な支援につなげるために、社会保障、社会福祉、労働といった政策分野を超えたサービス提供体制の整備を検討すべきとしている。
国民皆保険と地域医療の基盤を維持
ビジョンは、「令和時代の7つの改革」として、①勤労者皆社会保険、②人生100年型年金制度、③雇用制度改革、④医療・介護の提供体制改革、⑤健康づくりの抜本強化、⑥子育て支援、⑦厚生労働行政改革を掲げている。
このうち、④医療・介護の提供体制改革では、これまでの厚生労働行政は供給者目線・内輪の論理に陥りがちだったと指摘し、「供給者目線から国民起点」に転換することを強調。「国民目線で徹底的に効率化を進め、無駄を削減する」と述べている。
医療提供体制については、高齢化や技術の進歩によって医療費が伸びる中で、「国民皆保険を守り、地域医療の基盤を維持していく」ことを確認。地域医療構想の実現に向けた病床の機能分化・連携を促進するとともに、NDB や介護DBの活用、電子カルテの標準化、PHR基盤の制度を推進する考えを示している。
介護提供体制については、介護・認知症予防の徹底や要介護度や自立度を改善した介護サービス事業者に対するインセンティブの強化を提案。IoT機器の導入加速、書類の大幅な簡素化と介護現場のペーパーレス化に取り組む考えを示した。
全日病ニュース2019年6月1日号 HTML版
[1] 全日病ニュース・紙面PDF(2019年5月1日号)
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2019/190501.pdf
2019年5月1日 ... 2019年(令和元年)5月1日(水) 毎月2回1日・15日発行 定価1日号300円・15日号200
円(会員の購読料は会費に含む). (昭和63年3月23日 .... 改革をめぐる論議が、病院
職員にとっ ...... 場目線にも立って「ビジョンとリスク ... 代が後期高齢者化する時代には、
患者・ ..... 全世代型社会保障における予防・健康インセンティブを検討.[2] 全日病ニュース・紙面PDF(2019年1月1日・15日合併号)
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2019/190101.pdf
2040年の社会を想定した社会保障改革の議論が始まっています。最大の課題 .... らに
は在宅医療への直接的、或いは間接的関与が求められる時代になりまし. た。昨年10 ...
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。