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ホーム全日病ニュース(2019年)第953回/2019年12月1日号専門研修のサブスペ領域認定を議論するWG設置へ

専門研修のサブスペ領域認定を議論するWG設置へ

専門研修のサブスペ領域認定を議論するWG設置へ

【厚労省・医道審専門研修部会】日本専門医機構提案の23領域を認めず

 医道審議会医師分科会の医師専門研修部会(遠藤久夫部会長)は8日、日本専門医機構が認定するサブスペシャルティ領域を議論するワーキンググループを新設すると決めた。日本専門医機構はサブスペ認定の候補とする23領域の評価表を示して理解を求めたが、地域医療への影響や国民へのわかりやすさなどに懸念を示す意見が相次ぎ、厚生労働省でも慎重に議論することになった。
 日本専門医機構は、まずサブスペ領域の認定の考え方を示すため、専門医制度整備指針の改訂と、サブスペシャルティ領域専門研修細則の案を部会に示した。
 細則案では、サブスペの研修期間を原則3年と定めた。基本領域とサブスペシャルティ領域の研修を同時並行的に行い、期間を短縮する「連動研修」も認めている。
 しかし、日本精神科病院協会の野木渡委員は「連動研修を行うサブスペは基本領域に入るべきだったのではないか。基本領域を含めて領域を考え直しては」と領域の見直しを訴えた。
 基本領域の研修と専門研修の連動研修を認めると、連動研修を受講しやすい都会の病院に専攻医が集中して地域医療に悪影響を及ぼしかねないとの懸念も、複数の委員から示された。細則は、同日の意見を受けて機構が修正した案を地域医療対策協議会で議論することになる。その後、再度、部会で議論する予定となっている。
 日本専門医機構は同日の部会に、サブスペ領域として認定する候補23領域について、認知度や専門研修施設数、指導医数等を点数化した評価表を提示した。日本専門医機構理事長の寺本民生参考人が23領域について、「それなりの合格点にある」と理解を求めた。
 これに対し、聖路加国際病院の山内英子委員は、23領域を評価した基準を今後、他の学会にも適用してサブスペ領域が増えていくことを想定して懸念を表明した。「すでに94学会がサブスペに手をあげている。サブスペ領域が乱立し、診療科同士のコミュニケーションがとれなくなって診療体制の安全性が確保できなくなる事態は避けるべき」と主張した。
 NPO法人COMLの山口育子委員は、「国民にわかりやすいという視点が評価基準に入っていない。理解しやすさという観点からすると23領域は見直すべき」と述べた。
 日本医師会の釜萢敏委員も同調し、「23領域は見直すべき」と主張した。
 日本病院会の牧野憲一委員は、「標榜していい診療科と、専門研修制度の領域が合っていないため、国民にわかりやすくするために両者を近づけるほうがよいのではないか」と専門領域のあり方の再考を求めた。
 2時間の会議で委員からサブスペについて多くの意見が出され、会議の最後に山内委員はサブスペ領域を議論するワーキンググループの設置を提案した。これを受けて部会はサブスペについては改めてWGで議論を進めていくことを決めた。WGの構成や議論のスケジュールは未定。
 釜萢委員は、「研修の履歴は認められるので、日本専門医機構が認定するサブスペが決まれば、あとから連動研修として認めることは可能だ。そのため時間的には余裕がある」と述べ、慎重な議論を求めた。
 厚労省は、基本領域の研修を終えて、2021年4月から機構認定のサブスペ研修を開始することを念頭に置いて部会を進行していたが、釜萢委員の発言を受け、「さまざまな論点があるので、一つ一つ慎重に議論を進めていくべき」と述べた。

 

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    2018年11月1日 ... の従事者は823万人で、2040年度には. 1,065万~ 1,068万人まで増加するとい. う。就
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