全日病ニュース
入院医療の今年度調査でコロナの影響を把握
入院医療の今年度調査でコロナの影響を把握
【中医協・入院医療分科会】公表は1月中を目指す
中医協の入院医療等の調査・評価分科会(尾形裕也分科会長、WEB開催)は10月22日、2020年度診療報酬改定の結果を検証するための2020年度調査の内容を大筋で了承した。同日の委員の意見を踏まえ、一部修正した上で、診療報酬基本問題小委員会に報告する。従来からの共通調査項目に、2020年度改定の内容とあわせ、新型コロナの影響を把握するための項目を設けたことが特徴だ。
2020年度改定の入院医療の検証は2020年度調査と2021年度調査に分けて実施する。「重症度、医療・看護必要度」の見直しなど、2020年度だけでは、改定の影響が十分に把握できない項目は、2021年度でも続けて調査を実施することになっている。
2020年度調査では、①一般病棟入院基本料等における「重症度、医療・看護必要度」の施設基準等の見直し(その1)②地域包括ケア病棟入院料と回復期リハビリテーション病棟入院料の実績要件等の見直し(その1)③療養病棟入院基本料の慢性期入院医療における評価の見直し(その1)④医療資源の少ない地域における医療機関の実態─の4項目。
調査票は、「施設調査」「病棟調査」「患者票」があり、対象医療機関に配布する(右表参照)。対象医療機関は、施設区分ごとに整理した調査票の対象施設群から無作為で抽出する。「医療資源の少ない地域における医療機関の実態」の調査については、10施設程度の病院にヒアリング調査のみを実施する。10月下旬に調査票を決定し、11月から調査を実施する。公表は3月以降としていたが、部分的に前倒しし、1月中の公表を目指すことになった。
「重症度、医療・看護必要度」など当初9月30日に経過措置が終了する予定だったが、新型コロナの影響で、2021年3月31日まで延長した項目がある。中医協として、3月31日以降の経過措置の取扱いを判断するため、3月31日までに新型コロナの影響を把握したいとの要望が出ていたため、厚生労働省は、調査結果の速報を「早ければ1月中に公表する」と、前倒しする理由を説明した。
新型コロナの把握のため項目増える
今回の調査の特徴は、「新型コロナの影響」を設けたことだ。前回9月10日の分科会で、委員から、調査票が複雑になり過ぎない程度に、新型コロナの対応状況を把握するための項目を設けてほしいとの要望が多く出ていた。このため、様々な項目を新たに設けるとともに、新型コロナの影響のあった期間が医療機関ごとに異なることを踏まえた工夫も施している。
例えば、施設調査票の「新型コロナへの対応状況」では、◇新型コロナ患者の受入体制◇新型コロナに起因する医療機関への影響◇4~ 10月にかけての月別の「重症度、医療・看護必要度」や平均在院日数、病床利用率などの状況◇医療提供状況の変化─などをきく。
4月以降の新型コロナ患者の外来・入院の受入体制の「有り・無し」の質問項目は、外来は新型コロナ感染疑い患者の受入の有無、(検査対象となった患者を指し、診断がつかなかった患者も含む)、入院は新型コロナ感染患者の受入の有無(疑似症患者を含む)となっている。全日病常任理事の津留英智委員は、「外来では疑い患者とすれば、多くの病院が『有り』に該当し、入院では感染患者とすれば、『有り』に該当する病院が限られると思うが、この疑い、疑似症の判断規準の説明は十分なのか」と質問した。
これに対し厚労省は、「指摘の通りの結果になると思うが、該当患者については、外来では、院内トリアージ実施料、入院では、救急医療管理加算や二類感染症患者入院診療加算といった診療報酬の特例が算定できることになっているので、そのような患者の受入状況を把握する」と説明した。
病棟調査に関しては、牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)から、新型コロナ患者が入院した場合の影響は、施設全体よりも病棟ごとの違いが大きく、「重症度、医療・看護必要度」への影響などを、詳細に把握すべきとの要望も出た。しかし、新型コロナの影響を厳密に他と区別して把握することはできず、調査がさらに煩雑になることから、「施設全体のインプレッション」を捉えることにとどめるべきとの意見(山本修一委員・千葉大学副学長)に落ち着いた。
また、「医療資源の少ない地域における医療機関の実態」の項目の中に、「オンライン診療」がある。全日病会長の猪口雄二委員は、「漠然とオンライン診療のことをきいても、期待する回答が得られないのではないか」と指摘。厚労省は、「実際のヒアリングでは、従来のオンライン診療と、特例によるオンライン診療の活用状況を分けて、詳細に実態を把握する」と述べた。
全日病ニュース2020年11月1日号 HTML版
[2] 全日病ニュース・紙面PDF(2020年10月1日号)
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2020/201001.pdf
2020年10月1日 ... 我々病院経営者もアフターコロナに. 対応すべく、経営戦略の検討に迫られ. て
いると考える。。 (池井義彦). 中医協の入院医療等の調査・評価分. 科会(尾形
裕也分科会長)は9月10日、. 2020年度診療報酬改定後、初めてと ...[3] 全日病ニュース・紙面PDF(2020年4月1日号)
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2020/200401.pdf
2020年4月1日 ... の労働政策審議会労働条件分科会で、. 実効性の ... コロナウイルス対応に関する
協議会の. 初会合を ... 全日病副会長の織田正道委員は、. 「医 ... ワーキング
グループ(尾形裕也座長) ... することを検討会に提案し、大筋で了.
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