全日病ニュース
新型コロナ感染症患者受入病床確保対策会議が発足
新型コロナ感染症患者受入病床確保対策会議が発足
【日医・病院団体】後方支援など中小病院の役割が論点
日本医師会と病院団体による新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議が1月20日に発足した。病床逼迫が伝えられるなか、コロナ患者受入れ病床確保に向け、具体策を協議するために設置されたもの。日本医師会副会長でもある全日病の猪口雄二会長は、終了後に記者の質問に応え、「官も民もなく、コロナに対し医療界が一丸となって、提供体制を確保するとの決意で一致した」と強調した。
1月14日、日医、全日病、日本病院会、日本医療法人協会、全国医学部長病院長会議、日本看護協会は、官邸で菅義偉首相と意見交換会を開いている。その際に、日医の中川俊男会長が首相に、「医療崩壊がすでに進行している」と伝えるとともに、「コロナ患者の受入れが可能な医療機関は、躊躇なく受入れに努力すべきであり、そのための対策を検討する組織を設置する」との考えを示したという。
これに対し菅総理は、コロナ患者に対応する医療機関に対しては、「最大限の支援を実施する」と発言するとともに、病床確保のため、国、自治体、医療関係者の一致団結を求めた。
会議冒頭の挨拶で中川会長は、「民間病院のコロナ患者受入れが少ないのではないか」といった指摘が出ていることを踏まえ、「あらゆる機会を通じて、具体的なデータを用いて、正しくないことは、示していく。コロナに打ち勝つためには、国民の協力が不可欠であり、まさに正念場を迎えている中で、国民に誤解を与えることは、収束への道を妨げる」と述べた。
これについては、例えば、厚生労働省の地域医療構想に関するワーキンググループに資料が出ている。それによると、コロナ患者受入れ可能な高度急性期・急性期機能を持つ全国の病院(4201病院)のうち、コロナ患者の受入れ実績は、公立が76%、公的等が76%、民間が76%と大差ない。しかし、コロナ患者受入れ可能な民間病院は全体の18%と低くなる。多くの民間病院は中小規模で、回復期や慢性期の機能を担っていることの証左である。
猪口会長は、「中小病院では特に、人的な面とゾーニングが難しく、やり切れていないときく。地域医療構想でも、急性期・回復期・慢性期と病院の機能分化を図ってきており、コロナの重症患者の対応は難しい。だから、後方支援に回るとか発熱外来を担うとかできることをやる。ワクチンの接種場所を含め、やれることは他にもいろいろある」と役割分担を強調した。
その上で、感染拡大により病床が逼迫している現状を踏まえ、「病床確保のため、さらにできることは何かを、地域の特性に応じ、考えなければいけない。東京のように専門病院を作るのが、感染防止の面では安全だ。いずれにしろ、みなさんの意見を集約しつつ、考えていきたい」と意欲を示した。
中川会長も、感染防止対策が不十分だと、「クラスターの発生源になる可能性が高く、そうなってしまえば元も子もない。地域として医療提供体制をどう構築するかが重要になる」とした。
対策会議の参加団体は、日医と日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、全国自治体病院協議会となっている。
全日病ニュース2021年2月1日号 HTML版
[1] 新興・再興感染症に対応した医療提供体制の議論を開始|第973回
https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20201015/news04.html
2020年10月15日 ... その結果、地域により病床や医師・看護師、医療用物資が逼迫した。感染症対応
における医療機関間の役割分担や連携も課題となった。新型コロナのような感染
症が定期的に流行しても、医療崩壊を起こさず、柔軟に対応 ...[2] 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業に関するQ&A(第15 ...
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2021/210205_10.pdf
3 本交付金を用いて、新型コロナウイルス感染患者に対応する医療機関に対.
する協力金 ... 2 「偏見・差別とプライバシーに関するワーキング・グループ
これまでの ... また、新型コロナウイルス感染症患者の受入病床が逼迫する中で、
都道府.[3] 全日病ニュース・紙面PDF(2021年1月1・15日合併号号)
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2021/210101.pdf
1988年3月23日 ... さて、昨年は全ての医療機関が新型コロナウイルスという新興感染症への対応. を
迫られる年で ... 療養病床や介. 護保険施設でも患者発生の危険はある。気を
引き締. めてゆかなければならない。多くの人は密を好んで. きた。 ... が逼迫し
ていますが、地域医療介護を守るため一層 ... 厚労省・地域医療構想 WG.[4] 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に伴う周知依頼ついて
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2021/210112_2.pdf
第 32 条第1項の規定に基づき、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言(別紙1
). がされる ... 特に、病床が逼迫している場合、令和2年 12 月 28 日の政府対策
... 分科会の偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループが行.[5] 全日病ニュース・紙面PDF(2020年10月15日号)
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2020/201015.pdf
2020年10月15日 ... 労省は、新型コロナの影響で、今年度. の経費が予測できず、 ... 療構想では、
病床の機能分化・連携を. 進め、医師偏在 ... 病床や医師・. 看護師、医療用物資が
逼迫した。感染. 症対応における医療機関間の役割分担. や連携も課題となった。
新型コロナの ... の3つのワーキンググループがある。 このため、「 ...[6] 第7章 科学的根拠に基づいた病院経営への挑戦
https://www.ajha.or.jp/about_us/50years/pdf/50years_07.pdf
療養病床」に. 平成12年2月21日、厚生省・医療審総会で、現. 行「その他病床」
を「一般病床」と「療養病床」. に区分し、一般 ... 結果は厚生労働省「新医師
臨床研修制度検討WG」に資料 ... しかし、現状は、財政の逼迫を理由に診療報酬
抑.
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