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ホーム全日病ニュース(2021年)第997回/2021年11月1日号第8次医療計画に向け在宅医療の基盤整備の議論に着手

第8次医療計画に向け在宅医療の基盤整備の議論に着手

第8次医療計画に向け在宅医療の基盤整備の議論に着手

【厚労省・在宅医療WG】急変時の入院医療との連携などが課題

 厚生労働省の「第8次医療計画等に関する検討会」の「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」は10月13日、初会合を開いた。座長には田中滋氏(埼玉県立大学理事長)が選ばれた。第8次医療計画の策定に向けて、在宅医療の基盤整備などを検討する方針を確認した。
 厚労省は今後の検討事項として、①在宅医療の基盤整備②患者の状態に応じた、質の高い在宅医療提供体制の確保③災害時や新興感染症拡大時における在宅医療の提供体制─の3点を示した。
 ②の質の高い在宅医療の体制としては、急変時などに入院医療と連携することや、複数の診療科の医師が患者の病状に応じて連携することを検討課題にあげた。近年、増加傾向にある医療的ケア児への在宅医療の体制整備も課題とした。
 日本医療法人協会副会長の鈴木邦彦委員は、在宅医療において役割を担う在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院の医療計画上の位置づけについて質問。厚労省は、現時点では都道府県ごとにばらつきがあるとして、現状把握に努めるとした。
 日本医師会の松本吉郎委員は、小児の在宅医療を担う医療機関を増やすことが課題と指摘。「いざというときに入院を受け入れてもらえるバックアップ病床の確保が非常に重要である。小児のうちは病院の主治医がいた場合でも、患者の年齢が上がると、病院の小児科では受け入れられなくなることがある。トランジションの問題も含めて、地域で体制を整えるという考え方が必要だ」と述べた。
 同WGは、来年夏まで1巡目の議論を行い、2巡目の議論を経て、2022年度末までに取りまとめを行う予定だ。

 

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