全日病ニュース

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年頭の挨拶

年頭の挨拶

公益社団法人 全日本病院協会 会長 猪口雄二

 明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、つつがなく2023年の新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
 昨年を振りかえりますと、新型コロナウイルス感染症への対応に追われる中で、4月には診療報酬改定があり、看護職等への処遇改善、重症度、医療・看護必要度の見直し、不妊治療の保険適用、紹介状なし受診の定額負担の見直しなどが行われました。その他新型コロナの特例対応や経過措置もあるため、こうした改定が病院にとってどのような影響を及ぼしているのか、判断が難しく、引き続き注視が必要と考えております。
 さて、本年は、コロナ禍により明らかとなった医療体制等の諸問題の解決に向けて、様々な動きが加速していくものと思われます。有事の際の医療提供体制を確保するための感染症法の改正、医師の働き方改革、地域医療構想、医師確保計画、第8次医療計画、かかりつけ医機能の法定化など、医療機関にとって極めて重要な施策が進められます。さらに、医療DXの推進や2040年を見据えた全世代型社会保障制度の構築など、将来に向けた動きも加速すると思われます。
 コロナ禍において、多くの病院が疲弊している中で、いずれの施策も地域の医療提供体制及び個々の病院の経営に大きな影響を及ぼすものです。全日病としても組織をあげて、日本医師会や他の病院団体と協同し、引き続き様々な課題に対応していく所存です。
 また、新型コロナウイルス感染症についても、その収束を願いつつ、コロナ患者に対応する医療現場に対しての十分な支援が引き続き必要と考えております。
 当協会の事業活動の主でもある様々な研修事業は、コロナ禍においても開催できるようオンライン化を進め、多くの研修会がオンライン開催を軸とするようになりました。研修内容により、対面での開催、オンライン開催、の適切な方法を各委員会で検討のうえ実施しております。今後とも、会員の皆様方のニーズに合った、質の高い研修事業を行ってまいりますので、各種研修会へ是非ともご参加いただければ幸いです。
 また、2019年より開始しました技能実習による外国人材受入事業は、コロナ禍による入国制限も解除され、ベトナム・ミャンマーからの介護人材の受入を再開しており、現在約100名の実習生が全国各地の会員病院で実習を行っております。さらに、今後は特定技能による受入の実施も検討しているところです。
 昨年10月には、第63回全日本病院学会in静岡が3年ぶりに現地で開催されました。会員の皆様や多くの関係者の方と久しぶりに対面でお会いすることが出来、感慨もひとしおでした。静岡学会に関わられた全ての皆様方に改めて感謝申し上げます。
 本年は、10月に広島県支部長である大田泰正学会長のもと、第64回全日本病院学会in広島が「未来の子どもたちへ~脱高齢ニッポン!~」をテーマに広島市で開催されます。会員の皆様方からの多数のご参加を心よりお願い申し上げます。
 全国の病院数は昨年9月末時点で8,156と年々減少しておりますが、当協会の会員数は、昨年12月現在で2,542を数え、引き続き日本で最大の病院団体でございます。
 コロナ禍から脱却し、新たな時代を見据えて、健全な病院経営、質の高い医療提供体制を構築するために、執行部一同、そしてすべての会員とともに、一致団結して日本の医療、地域医療を支える病院団体として活動していく所存です。
 本年も、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 

全日病ニュース2023年1月1・15日合併号 HTML版

 

 

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