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ホーム全日病ニュース第804回/2013年7月1日号公益社団法人として初の総会...

公益社団法人として初の総会。西澤寛俊氏を会長に4選

公益社団法人として初の総会。西澤寛俊氏を会長に4選

▲4期続けて全日病の運営を委ねられた西澤寛俊会長(来賓席は横倉日医会長と野中東京都医師会長)

公益社団法人として初の総会。西澤寛俊氏を会長に4選

【第1回定時総会】
3副会長は留任。役員に新人を多く起用。西澤執行部、第4期へ若返りを図る

 全日本病院協会は公益社団法人として初の定時総会を6月22日に東京・ホテルグランドパレスで開催した。新たな役員に55名の理事ほかを選任、会長等選定理事会において西澤寛俊氏を会長に選出した。
 4選された西澤寛俊会長は猪口雄二、安藤高朗、神野正博各氏を副会長に指名、それぞれ留任とした。また、常任理事として20名を指名、多くを現有メンバーで臨む執行部体制を固めた。それぞれ任期は同日から2年間(2015年6月の定時総会まで)となる。
 常任理事20名のうち5名が新たに就任した。理事55名のうち8名が新規選出ということと合わせ、第4期西澤執行部は円滑な若返りを果たした。

8面に新役員の名簿

 

 就任の挨拶で西澤会長は、社会保障と税の一体改革や消費税非課税を含む、医療提供体制と診療報酬の問題に全力を挙げて取り組んでいく決意を披露。同時に、公益法人の立場を踏まえた活動を志していきたいと所信を表明した。
 団塊の世代高齢化という2025年の山に向けて、国民・患者、医療関係者そしてすべてのステークホルダーと協働した取り組みが必要であり、その中で積極的な提言を行なうなど、全日病が主導性を発揮していく必要があるという認識を示した。
 そして、迫り来る改革に対して、今まで以上に質の高い医療の提供に努める会員病院に対する支援を継続していくという執行部の戦略的理念を明らかにした。

 

2012年度決算から本部一般会計と各支部会計等を合算

 第1回定時総会は定数2,436名に対して出席者135名、委任状1,471名を得て成立。来賓として横倉義武日本医師会長と野中博東京都医師会長がそれぞれ挨拶した。
 議長に木村佑介氏(前代議員会議長)、副議長に宮城敏夫氏(前代議員会副議長)を選出。2012年度事業報告と決算報告をともに満場一致で承認した。
 第3号議案の役員選任において、木村議長は、理事改選に55名が立候補したが、定款が定める理事定数内であるため全員の選任を一括で諮り、総会は全会一致で承認した。
 2012年度の決算は直近の公益法人会計基準に準拠して行なわれた。その結果、一般会計、生命保険共済特別会計、老人保健健康増進等特別会計、災害対策支援特別会計というこれまでの区分を止め、新たに本部の一般会計と特別会計、全日本病院学会会計、各支部の会計を合算。財務諸表も、貸借対照表、正味財産増減計算書、同内訳表、財務諸表に対する注記、財産目録、附属明細書からなる会計報告とした。
 2012度は、経常収益計6億4,154万円に対して経常費用計は5億9,518万円にとどまった結果、当期経常増減額として4,635万円を計上、前年度に引き続いて黒字を計上した。

 

「中小病院は在宅・介護・認知症に取り組む」―方針を明確化

 公益法人への移行に伴う定款等の改正によって代議員会が廃止されたため、新たに「支部長会・副支部長会」が設けられ、第1回定時総会に先立って開かれた。各支部や役員からは、第6次医療法改正の議論状況、消費税問題への対応、地域包括ケアと中小病院、TPPに対する見解、新型インフルエンザ対策等に関する質問や意見が示され、執行部は見解表明と情勢の説明に努めた。
 その中で、西澤会長は、全日病にプライマリケアのプロジェクトチームを立ち上げたこと、その議論において、①中小病院は在宅医療・介護を担いかつ支援する立場にあり、また、それを積極的に推進すべきであること、②中小病院は認知症にも対応していくこと、③会員病院はそれらの取り組みを進めていくべきこと、④そうした全日病と中小病院の取り組みを明確にし、社会にアピールするとともに、具体的な活動を進めていく方針を確認した、ことを明らかにした。
議論内容を掲載

 

□西澤寛俊会長 就任の挨拶(要旨)

 次期会長にご指名いただき、非常に身の引き締まる思いである。冒頭の挨拶でも申し上げたように、今、大変大きな改革が大いなるスピードで行われようとしている。これにどう対応していくべきか、これが私が一番に考えている点である。
 すなわち、社会保障と税の一体改革と消費税非課税を含む問題に全力を挙げて取り組んでまいりたい。これらの課題は、当然のことながら医療提供体制につながるものであり、診療報酬につながるものでもある。皆さんのご協力を得て、ぜひ、取り組んでまいりたい。
 また、この4月から全日本病院協会は公益社団法人となったが、公益社団法人としてどう活動していくべきかを踏まえて、様々な活動に取り組んでいきたい。
 全日病の理念にもとづきながら、国民、患者、医療関係者そしてすべてのステークホルダーと共に、ことにあたってまいる。まさに協働していかないと、2025年という少子高齢化のピークを乗り越えていくことはできないと思う。その意味からも皆さんの協力をいただき、できれば、そうした取り組みで主導性を発揮してまいりたいと思っている。
 そして、その中で、持続可能な医療提供体制と医療制度を構築していく、その過程で、我々も必要な提案を示していかなければならない。そのためにも、各種の活動をきちんとしていかなければならないと考える。
 私は、迫り来る改革を通して、ぜひ、すべての病院に生き残ってもらいたいと思っている。生き残るということは、その使命を果たしていただくということである。
 そのためには、今まで以上に質の高い医療を継続して提供していく必要があると考える。それに向かって会員病院には努力を続けていただきたい、その努力に対して我々が支援していく、そうした活動を進めてまいりたい。