全日病ニュース

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関係団体の意見募集を踏まえ指定研修の検討を再開

関係団体の意見募集を踏まえ指定研修の検討を再開

【看護業務検討WG】
特定行為案は現行案で合意。行為群の区分等「2階」の考え方で意見分かれる

 厚労省の「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」は8月26日、関係団体の意見募集を踏まえ、指定研修の検討を再開。(1)特定行為案、(2)指定研修における行為群案、(3)指定研修の概要案について議論した。
 特定行為案に関しては、関係団体から寄せられた修正意見を踏まえて見直しの必要性について検討した結果、指定研修の方法を考える上で参考となる意見はあるものの、再度の見直しを余儀なくさせるほど決定的なものはないという認識でWGは一致した。
 指定研修のプログラムは、「特定行為実施に必要な共通な知識と技能」+「41の特定行為を病態確認内容の類似性で分けた14の行為群」の2階建てとする方向で合意している。
 関係団体からの意見には、WGで基本的に合意されている行為群案を大きく見直す代案(特定行為を8つの領域に区分)が含まれており、この日のWGは、この代案を支持する委員とそれに反対する委員との間で激しい意見の応酬が交わされた。
 この行為群について、事務局(厚労省医政局看護課)は、指定研修機関が、目的とする医療機能で行為群を組み合わせることによってプログラムを組むというイメージを例示。
 また、指定研修機関については、①講義・演習と実習のすべてを1つの施設で実施する場合と実習を他施設(複数可)で実施する場合との2タイプからなる、②講義・演習にはeラーニング等の活用ができる、③実習は受講生の所属施設でもできる、などの案を示した。
 さらに、指定研修について、①基本理念を打ち出す、②共通部分に関しては到達目標を明確にする、などの案を明らかにした。
 行為群の組み合わせ(2階部分)について、神野正博構成員(恵寿総合病院理事長・全日病副会長)は「基礎となる1階部分がしっかりつくられれば、2階部分はある程度ニーズに応じた行為群というモジュールの組み合わせで構成するとよい。また、仕事と並行した看護師は行為群を1つ1つ選択して、時間をかけて履修していくということができるというのが望ましいかたちではないか。それを、専門・認定看護師コースのように、救急コース、創傷コースなどと規定してしまうと、医療現場の多様なニーズに適合した組み合わせがつくれなくなってしまう」と述べ、看護師のニーズに対応した各種パターンを設けることを提案した。
 委員の中には、こうした「行為群に着眼した」視点に対して、「看護業務に一連の流れ」を重視した考え方で2階部分を設計すべきとする意見もあり、議論は並行をたどった。
 有賀座長は「神野委員の言うとおり、時間をかけて学ぶというプログラムがあってもいいかもしれない」と述べ、仕事と並行して学びたいと願う看護師に配慮する必要を認めた。他の委員からも、「重要なことは、多くの看護師にこうした行為を行なえる能力を身につけてもらうことだ」と同調する意見が出た。