全日病ニュース

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13年度研修医採用 都市部以外の割合が最大に。大学病院割合は依然低下

13年度研修医採用 都市部以外の割合が最大に。
大学病院割合は依然低下

【医師臨床研修制度】
見直し議論は最終局面。大枠については現行制度の維持という方向

 

 臨床研修医の2013年度採用実績は7,674人で、都市部の6都府県が3,493人(45.5%)、それ以外の41道県が4,181人(54.5%)と、41道県の割合が新制度導入後最大となった。
 10年度開始研修医から導入した都道府県別定員数の上限設定は、激変緩和措置がはたらいているものの、所期の効果が出た恰好だ。
 一方、大学病院の採用実績の割合は12度から1.5ポイント減の42.9%となった。全体の採用実績に占める大学病院の割合は制度開始の04年度から減少を続け、08年~10年度に増加に転じたが、11年度から再び3年連続減少をたどるなど、プログラム弾力化の効果はみられない。
 8月8日の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会に報告された、13年3月に臨床研修を修了した研修医を対象にしたアンケート結果(中間報告)によると、卒後3年目に大学病院に勤務する割合は49.9%で、前年より0.6ポイント減っている。
 ただし、研修病院に勤務する割合も45.7%と前年から1.3ポイント減っている。診療所や臨床以外の進路などを選んだ割合が2.1ポイント増えたためで、研修医の価値観の多様化がうかがえる結果となった。
 この研修部会では、15年4月開始の臨床研修に反映される臨床研修制度の見直しの議論が大詰めを迎えた。
 この日は見直しの論点の全体を通した議論を行ない、基本方針の大筋をほぼ確認した。
 募集定員の激変緩和措置は廃止を確認。研修プログラムは弾力化された現行制度を維持し、本格的な見直しは次の5年後に先送りする方向でとりまとめを迎えようとしている。
 基幹型研修病院指定基準の3,000症例も現行どおりとし、これを下回る病院は訪問調査を踏まえて個別に対応することで概ね合意した。地域枠については、一般の医学生と同様にマッチングで研修先を決める方針を確認している。
 臨床研修病院に第3者評価を課するという提案には反対の声が強い。桐野座長は、当面は努力目標とした上で、将来的には義務づけを検討する方向でのとりまとめを示唆している。
 「臨床研修病院群」に関する議論はまだ十分深まっているとはいえない。
 そのほか、到達度の見直しを求める意見もある。
 次回の会議は報告書のたたき台をもとにした議論になる。報告書は年内にまとめられる予定だ。