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健康寿命延長めざす取り組みで2025年に5兆円の節減

健康寿命延長めざす取り組みで2025年に5兆円の節減

厚労省が予防・健康管理の主要施策と目標をまとめる

 

 厚生労働省はこのほど、日本再興戦略などを踏まえた、「国民の健康寿命が延伸する社会」をめざす予防・健康管理に関する主要施策をまとめ、8月20日に公表した。
 そのうち、推計が可能な施策については2025年度の医療費・介護費の効果額を推計、これら施策を通じた効果によって、5兆円規模の医療費・介護費の節減を目標にするとしている。
 「健康寿命延伸社会」に向けた取り組みの概要は以下のとおり。

Ⅰ. 高齢者への介護予防等の推進
①介護・医療情報の「見える化」等を通じた介護予防等の更なる推進(介護費約0.6兆円の効果額を目標)
 地方自治体が地域の実情に応じて効果的・効率的な介護予防・保健事業を行えるよう、地域単位での介護・医療関連情報の「見える化」等による介護予防等の推進。
②認知症早期支援体制の強化(医療費約0.1兆円の効果額を目標)
 認知症の人が住み慣れた環境で暮らし続けられるよう医療・介護で早期支援体制の構築
③高齢者の肺炎予防の推進(医療費約0.8兆円の効果額を目標)
 高齢者の誤嚥性肺炎の予防に向けた口腔ケア、成人用肺炎球菌ワクチン接種の推進
④生涯現役社会の実現に向けた環境整備等
 高齢者と地域社会のニーズの有効なマッチングの仕組みの整備等を支援、シルバー人材センターの活用
Ⅱ.現役世代からの健康づくり対策の推進
①レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進(①~③で医療費約2.4兆円強の効果額を目標)
 医療保険者におけるレセプト・健診情報等を活用したデータヘルス計画の策定、効果的な保健事業の実施
②特定健診・特定保健指導等を通じた生活習慣病予防の推進(①~③医療費約2.4兆円強の効果額を目標)
・健康づくり大キャンペーン、特定健診とがん検診の同時実施など、健診受診率向上に向けた取組の推進
・メタボ該当者の減少や糖尿病有病者の増加の抑制、糖尿病の重症化予防、非肥満の高血圧対策の実施
③たばこをやめたい人を支援するたばこ対策の推進(①~③で医療費約2.4兆円強の効果額を目標)
 たばこクイットラインによる禁煙相談や禁煙支援、技術支援の推進
④日本人の長寿を支える『健康な食事』の推進
 日本人の長寿を支える『健康な食事』の基準を策定。コンビニ、宅配食業者等と連携した普及方策の実施
⑤がん検診の受診率向上によるがんの早期発見
 特定健診とがん検診の同時実施、被用者保険者と市町村のがん検診情報の共有に向けた連携の推進
⑥こころの健康づくりの推進
 こころの健康に関する普及啓発、職場のメンタルヘルス対策の推進、うつ病の早期発見・早期治療の実施
⑦妊産婦や乳幼児期からの健康づくりの推進
 発達・発育の段階の把握や疾患の早期発見のための妊産婦や乳幼児に対する健診の推進
Ⅲ. 医療資源の有効活用に向けた取組の推進
①後発医薬品の使用促進(医療費約1.0兆円の効果額を目標)
 ロードマップの推進、医療保険者による差額通知等の取組を拡大
②ICT活用による重複受診・重複検査等の防止(医療費約0.1兆円の効果額を目標)
 ICTを活用した地域医療等ネットワークの推進、医療保険者において、医療機関と連携しつつレセプトデータ等を活用した保健指導の推進