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北海道学会を開催。3,000人を超える参加

【第57回全日本病院学会in 北海道】

北海道学会を開催。3,000人を超える参加

地域医療構想、地域包括ケア病棟など喫緊の課題を議論

 「第57回全日本病院学会in北海道」(徳田禎久学会長)が、北海道支部の担当で、9月12日・13日に札幌市(ロイトン札幌とさっぽろ芸文館)で開催され、693題の演題と3,000人を超す参加者数を得て盛況裡に終わった。

 「第57回全日本病院学会in北海道」の開会式に先立って、札幌市立幌西(こうさい)小学校の合唱団が清楚な歌声を会場に響かせた。NHK全国学校音楽コンクールの北海道ブロックで金賞に輝いた児童たちが“天使の歌声”を披露したもの。
 開会式には、来賓として、二川一男厚生労働省医政局長(当時。10月1日付で厚生労働事務次官)、横倉義武日本医師会長、高橋はるみ北海道知事、秋元克広札幌市長、長瀬清北海道医師会長ほかが列席した。
 学会テーマに掲げた「イノベーション~医の原点を見つめつつ~」について、徳田学会長は、冒頭挨拶で「こうした改革に際して、我々提供者側も自ら変っていかなければならない」との思いがこめられていると説明した。
 これを受けて、西澤寛俊会長は、挨拶で「我々は地域医療構想等の制度改革に積極的に取り組んでいく。しかし、それは追従ではなく、あくまでも自発的な対応でなければならない」と述べ、制度改革を自律的に乗り越える必要を訴えた。
 こうした問題意識は参加者に共通した思いでもあり、北海道学会では、地域医療構想、病床(病棟)機能、調整会議など、病院が直面する最大の課題が多くのセッションで取り上げられた。同時に、2016年度診療報酬改定を控え、回復期や地域包括ケア病棟のあり方も随所で議論された。
 この10月に施行される医療事故調査制度と看護師特定行為研修に関しては、施行内容の確認と対応すべき事項等について真剣な議論が交わされた。
 また、先の国会で成立した医療法改正についても、その内容の整理・確認が行なわれた。

二川医政局長、地域医療構想に先立った調整会議を呼びかける

 特別講演で、厚労省の二川一男医政局長は、「地域医療構想の策定を待たずに、早目に各医療機関の協議を始めてはどうか」と呼びかけ、各医療機関が地域医療構想に能動的・自立的に対応することを訴えた。
 地域医療構想のセッションで、厚労省の佐々木昌弘医師確保等地域医療対策室長は、①各県による地域医療構想の策定は2016年半ばが目安となる、②基準病床数と必要病床数の整合性を図る場合は第7次医療計画(2017年度~)策定前の医療計画作成指針(16年度)で方針を示すことになる、③17年度末の25対1経過措置と介護療養病床の廃止問題は17年の通常国会で議論される、と展望した。

徳田禎久学会長の開会挨拶(要旨)

 我々医療提供者に厳しい、大きな変革を迫る医療政策が昨年打ち出され、病床機能報告制度とそれにもとづく地域医療構想の策定が実施されつつある。
 人口減と高齢化によって2025年の医療・介護の需要が変わる中、各圏域に身の丈にあった医療提供体制を再構築せよということかと理解しているが、このような国の方向付けに対して、我々医療提供者側が一喜一憂するのではなく、我々自らも変革をすべきだろうという認識で、今学会のテーマは「イノベーション」と、サブテーマを医療関係者の気概も込め、「医の原点をみつめつつ」とさせていただいた。

西澤寛俊会長の挨拶(要旨)

 我々全日本病院協会は現在進行中の改革に積極的に取り組んでいる。
 今学会にも、これらのプログラムが多く組まれている。この学会に参加することにより、改革の内容を理解し、それへの対応を学ぶことができるのではないかと思っている。
 今学会のテーマはイノベーションへの対応と医の原点である。そこには、改革に単に追従するのではなく、我々が自ら新らしい発想で自発的に改革を進めるが、その際に医の原点に立ち返るべきという思いが込められている。
 ぜひ、この学会の成果を地域に持ち帰って、今まで以上に、自律的かつ積極的に改革を推進していただきたいと願っている。

横倉義武日本医師会長の挨拶(要旨)

 全日本病院学会は、医師、看護師を初め、病院にかかわる多くの方々が参加する学術研修の場として、わが国の医療界の発展に多大な貢献を果たしてきた。
 6月30日に骨太方針が閣議決定され、2018年度までの3年間で社会保障費の伸びを1兆5千億とすることが示された。私どもは、医療政策は財政主導ではなく、社会保障が社会の安定に寄与していることを念頭に置いて、実行されるべきであると考えている。
 全日本病院協会は地域医療で活躍されている一般病院で構成された団体である。医療提供体制の中で民間病院としてのあり方を主張していただきたいと思っている。