全日病ニュース

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第3期医療費適正化計画の16年度策定に向け、15年度中に基本方針

第3期医療費適正化計画の16年度策定に向け、15年度中に基本方針

地域差分析と分析ツール・データブック開発で検討会。15年度中に都道府県に配布

 医療費適正化計画に盛り込む目標と将来医療費推計の作業を進める内閣官房専門調査会の「医療・介護情報の分析・検討WG」は、9月15日、厚労省から、医療費適正化計画策定に向けた工程と作業課題について報告を受けた。
 5月に成立した医療保険制度改革関連法案において、高齢者医療確保法に規定されている医療費適正化計画に「地域医療構想と整合的な目標」を盛り込むことが決まった。目標は「医療の効率的な提供の推進」と「医療費の水準」からなる。
 これまで目標は特定健診等の数値目標、各都道府県の平均在院日数短縮、後発医薬品の使用割合であり、医療費に関しては「見通し」であった。それが、目標に格上げされた上で、地域医療構想における“目標”が新たに追加されたわけだ。
 現在の医療費適正化計画は第2 期(2013~17年度)。これを、各都道府県が、16年度半ばまでに地域医療構想の策定を終え、その“目標”との整合性を確保かつ医療費目標を盛り込んだ内容で計画を見直し、「最速で16年度から」第3期医療費適正化計画(~24年度)を策定する、というのが厚労省が考えている前倒しのシナリオである。
 そのためには「本年度中に医療費適正化基本方針を策定する必要がある」ことから、厚労省は、WGへの報告で、保険局に「医療費適正化計画に係る医療費適正化効果指標等検討会」を設置したことを明らかにした。
 この検討会は、主に当WGにおける医療費推計式等の検討に供するために、NDB等を活用した具体的な分析を実施する目的で保険局の調査研究事業(非公開)として設置さされ、10月から検討を開始する。
 産業医大の松田晋哉教授、東京医科歯科大学大学院伏見清秀教授、東北大学大学院の藤森研司教授など6人からなり、①医療費の地域差分析、②都道府県に配布する分析ツール・データブックの開発をテーマに12月までに大枠を固める、その後年度末にかけて細部を検討。その結果は年度末に策定される医療費適正化計画基本方針(告示)に盛り込まれるとともに、15年度内に都道府県に配布する分析ツールやデータブックとしてまとめられる予定だ。