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がんゲノム医療中核拠点病院の指定要件を検討

【厚労省・がんゲノム医療中核拠点病院サブＷＧ】

　厚生労働省の「がんゲノム医療中核拠点病院（仮称）等の指定要件に関するサブワーキンググループ」の初会合が８月23日に開かれた。がんゲノム医療を提供する体制を整備するため、中核となる拠点病院の指定要件を検討する。座長には、国立がん研究センター中央病院の西田俊朗院長が選出された。
　がんゲノム医療は、ゲノム情報を解析して患者ごとのゲノム変異を明らかにし、その結果に即して行う医療。がん対策推進基本計画（案）でも、がん医療の充実を図るための１項目として記載されている。
　６月に公表された「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会」の報告書は、がんゲノム医療の提供体制を構築するに当たって、通常のがん医療とがんゲノム医療を一体として提供する必要があるとし、がんゲノム医療中核拠点病院（仮称）をがん診療連携拠点病院の仕組みに位置づけ、すべての都道府県でがんゲノム医療が提供可能となることを目指す考えを示した。報告書は、2017年度中にがんゲノム中核拠点病院を指定することを求めている。
　同日開催された「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」においてサブWGを設置して、がんゲノム医療中核拠点病院の指定要件を検討することが了承された。サブWGは３回程度の開催でとりまとめを行い、遅くとも10月初めには検討結果を同ＷＧに報告する予定。
　がんゲノム医療は、ゲノム情報の解析とそれに基づく医学的判断が前提で、高度の専門性が求められる。遺伝子関連検査としては、既存治療薬の選択に際してコンパニオン診断が行われているが、コンソーシアム懇談会報告は複数の遺伝子をセットで検査する「遺伝子パネル検査」について、薬事承認を経て保険診療として実施することを求めた。パネル検査を実施する医療機関として、がんゲノム医療中核拠点病院が想定される。
　中核拠点病院では、遺伝子パネル検査と検査結果の解釈が可能であることが求められるほか、検査の結果、遺伝性腫瘍の原因となる遺伝子の変異が発見されることを想定して専門的な遺伝子カウンセリングの実施体制も求められる。さらに、未承認薬や適用外薬へのアクセスを確保するため治験や先進医療の実施体制も必要となる。
　また、コンソーシアム懇談会報告は、患者のアクセスを考えて中核拠点病院と連携して診療に当たるがんゲノム連携病院が必要とした。中核拠点病院と連携病院の連携のあり方についても、サブWGで検討することになる。初会合では、がんゲノム医療に関するこれまでの検討状況を厚労省が説明したほか、遺伝子関連検査の精度管理や遺伝子カウンセリングの実施体制について構成員が発表した。
　その後、がんゲノム医療中核拠点病院の指定要件について、◇パネル検査を実施できる体制がある◇パネル検査結果の医学的解釈可能な専門家集団を有しているなど、コンソーシアム懇談会報告書が示した８項目にそって具体的に検討した。