全日病ニュース

大変革前夜に挑め！ 石川学会で病院の生き残り戦略を議論

【第59 回 全日本病院学会in 石川】2,900名が参加、演題数は710に

　９日の開会式は、日本最大の曳山、能登七尾のでか山木遣り衆の演舞で開幕。力強い木遣り唄が参加者を出迎えた（写真右）。
　神野学会長は、「日本各地のまつりの賑わいと伝統文化こそ日本活性化の源だ」と述べるとともに、「病院も極めて地域密着だ。地域が廃れば病院は成り立たず、病院がなくなれば人は、安心を求めて去っていく。病院はセイフティ・ネットであると同時に地方創生の切り札になる」と強調。学会テーマの趣旨を説明した上で、「人口減少社会の中でこれまでと同じ医療を行っていたのでは衰退は目に見えている。我々は何に挑戦しなければならないか、大いに語り合う学会にしたい」と呼びかけた。
北陸で初めての開催
　石川学会は、北陸で開催する初めての学会となった。石川だけでなく、富山、福井の27病院で実行委員会を組織し、開催した。
　挨拶した全日病の猪口雄二会長は、学会準備に当たった関係者に謝意を示すとともに、「日本の医療は変わらざるを得ないところに来ている。学会を通じて大いに語り合いたい」と述べた。
　開会式には、来賓として、武田俊彦厚生労働省医政局長、横倉義武日本医師会会長、谷本正憲石川県知事、山野之義金沢市長、加納繁照日本医療法人協会会長ほかが列席し、祝辞を述べた。
　厚労省の武田医政局長は、「2018年度は医療と介護の関連制度の一体改革にとって大きな節目となる年だ」として、学会テーマは時宜を得たものと述べた。地域医療構想については、調整会議における関係者の熱心な議論を期待した。
　日本医師会の横倉会長は、2018年度の改革に向けて、「病院団体と医師会がしっかり連携する中で意見をとりまとめ、広く提言していかなければならない」と強調。山積する諸問題の解決に向けて全日病の理解と支援を求めた。
　開会式に続いて横倉会長と武田局長による特別講演が行われた後、各会場に分かれてシンポジウムやパネルディスカッション、演題発表が行われた。
　改革の動向と病院経営の将来戦略をめぐって熱心な討論を交わした。
　（石川学会の報告は、10月１日号、15日号、11月１日号に掲載します）