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医療用医薬品の流通改善の取組み状況を報告

【厚労省・流改懇】妥結率や単品単価取引の割合が向上

　厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」（三村優美子座長）は５月30日、2017年度上期の流通改善の取組み状況や、４月から適用された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の今後のフォローアップを協議した。
　厚労省は、医療機関・薬局の区分別の妥結率を報告した。
　2017年12月の医療用医薬品の納入価の全体の妥結率は71.5％で、病院は54.9％だった。病院のうち200床以上は49.5％、200床未満は81.4％、診療所は95.5％、薬局は75.4％。2017年９月の妥結率は97.7％ で、病院は96.0％、病院のうち200床以上は97.1％、200床未満は90.6％、診療所は98.1％、薬局は98.6％だった。
　2014年度診療報酬改定により、薬局と200床以上の病院で妥結率が50％以下の場合の未妥結減算制度が導入された。４月から９月を実績期間とするため、９月と年度末の３月の妥結率が高くなっている。
　2017年度上期の単品単価取引の割合は、200床以上の病院が65.2％、20店舗以上のチェーン薬局が61.3％となった。2016年度の割合は、200床以上の病院57.7％、20店舗以上のチェーン薬局60.6％だったが、単品単価取引は６割以上に向上してきた。
　医療用医薬品の売上構成比をみると、2017年度上期で新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象品が34.9％、先発医薬品のうち特許期間品が31.7％、後発医薬品のある先発医薬品である長期収載品が22.8％、後発医薬品が10.5％となっている。後発医薬品が増加し、長期収載品が減少する傾向にある。
　厚労省は、流通改善ガイドラインに基づき、４月に相談窓口をウェブサイト内に設置したことを報告した。流通当事者間で交渉が行き詰まり、改善の見込みがない場合に相談を受け付ける。
　相談窓口へ寄せられた相談件数は、５月29日までに15件となっている。厚労省は、「今後、卸企業と医療機関・薬局の価格交渉が本格化してくれば、件数は増えてくる」と見通した。