全日病ニュース

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NDBと介護DBの連結を協議

NDBと介護DBの連結を協議

【厚労省・医療介護データ解析基盤会議】データの利用目的や第三者提供で論点

 厚生労働省の「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」(遠藤久夫座長)は5月30日、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)の連結について協議した。厚労省がデータの収集や利用目的、第三者提供等の論点を提示した。
 論点では、データの収集・利用目的で、NDB と介護DBの法的位置づけ等を整理する必要があると指摘された。
 NDB も介護DBも法律で収集・利用目的が決まっている。NDBは医療費適正化計画の作成等と限定的に規定されているが、ガイドラインに基づき、公益目的のために第三者提供を行っている。一方、介護DBは介護保険事業計画の作成等も含め幅広く利用できることが規定されており、両者の規定に差異がある。
 こうした点を踏まえ、現在NDBのガイドラインに基づいて行われている第三者提供などについて、法定・運用のそれぞれの関係主体のメリット・課題を考慮して検討することや、法定の収集・利用目的の範囲をどう考えるかを検討の視点にあげた。両データベースの情報連結をどのように整理するかも論点だ。
 個人の特定可能性への対応では、連結に当たっても匿名性を前提とし、セキュリティ要件や個別審査等の利用の仕組みは現行のNDBの運用をベースに検討すべきと提案した。
 第三者提供では、公益目的による利用の迅速な提供に向け、NDBにおける利用申出者へのサポートやオンサイトリサーチセンターの取組みの活用等の方策の検討を求めた。また、将来の利用ニーズの増大に対応するため、オープンデータとの役割分担への対応とあわせた検討が必要とした。
 一方、有識者のヒアリングでは、奈良県立医科大の今村知明教授がNDBと介護DB連結のメリットを説明した。
 NDBでは「何をしたか」(提供された医療サービス)、介護DBでは「アウトカム」(要介護度やADL/IADL、認知症高齢者の日常生活自立度等)がわかることから、「両者を組み合わせ、追跡することで健康寿命の延伸に向けた分析が可能になる」と指摘した。
 また、医療・介護サービスを組み合わせた利用量、医療・介護費用の総和がわかることをあげた。

 

全日病ニュース2018年6月15日号 HTML版

 

 

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    2014年8月1日 ... 最新号から3ヶ月前まではヘッドライン版を、3か月前以前は紙面PDFを無料でご覧頂け
    ます。 ... NDBは医療費適正化が本来目的であるが、他の行政利用(社会保険診療
    行為調査等)や研究者等の第三者利用にも門戸が開かれている。

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