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ホーム全日病ニュース(2018年)第922回/2018年8月1日号公立・公的病院の機能について議論...

公立・公的病院の機能について議論

公立・公的病院の機能について議論

【厚労省・地域医療構想WG】民間病院のデータを示すべきとの意見も

 厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(尾形裕也座長)は7月20日、地域医療構想調整会議の状況等について議論した。公立・公的病院等の今後の機能等を調整会議で議論するにあたっては、機能の競合する民間病院に関するデータを調整会議に示すべきとの意見が出された。
 調整会議について、厚労省は全国の構想区域の機能分化・連携の資料を示し、沖縄県は課題等を報告した。
 沖縄県の5つの構想区域はすべて病床過剰である。16の公立・公的医療機関等は新公立病院改革プランおよび公的医療機関等2025プランを策定し、今後、調整会議で協議を進めていく。沖縄県担当者は課題として、県内の人口が2020年まで増加すると予測され、医療機関の病床稼働率も高い水準であるなかで、医療機能の分化・連携の必要性を医療機関に十分に伝え切れていないことなどをあげた。
 県として個別に医療機関のヒアリングを実施するとともに民間医療機関にも、「簡易なプランの策定」を依頼し、協議を進めるとした。
 委員からは、「民間病院にきちんとプランを出してもらった上で、公立・公的病院に関する議論を進めるべき」との意見があった。他方で、別の委員は、「将来の機能が大きく変わらない民間医療機関にプランをつくらせることについては、極めて慎重に対応してほしい」と要請した。
 政府の「骨太の方針2018」では、公立・公的医療機関に対し、地域の民間医療機関では担うことのできない高度急性期・急性期や不採算部門等に重点化するよう医療機能を見直し、再編・統合の議論を進めるよう求めている。
 委員からは、「公立・公的病院がプランを調整会議に示すことで、地域に必要な高度急性期・急性期病床をさきにとってしまうのではないか」と懸念する声があることが報告された。
 これを受けて別の委員は、「公立・公的病院と民間病院が競合する地域において、民間が担える機能は民間病院に譲るべき」と主張。民間病院が行っている医療のデータを調整会議に示すことで、機能が競合していることのエビデンスになるという認識も示された。
 議論を踏まえて厚労省は、「事例を整理し、研修会等を通じて、都道府県に事例を周知していきたい」と答えた。

 「アドバイザー」は現場重視を
 同日のWGでは、調整会議の充実・強化に向けた対応の一つである「地域医療構想アドバイザー」についても協議した。アドバイザーは、都道府県の地域医療構想の進め方について助言する役割を担い、都道府県の推薦を踏まえて、国が選定する予定だ。
 参考人として出席した浜松医科大学医学部附属病院の小林医療福祉支援センター長は、静岡県の地域医療構想に関与した経験を踏まえて、現場感覚のある学識経験者が関与することは重要と指摘した。アドバイザーの心構えとして、◇中立的◇客観的かつ多角的視点をもつ◇問題提起を行うファシリテーターの役割を担う◇現場を重視すること―をあげた。
 全日病副会長の織田正道委員は、「アドバイザーには、民間病院の立場や経営についても理解してもらいたい。任期は原則1年で、毎年更新していくというが、果たして、中立的にアドバイスするだけの見識を養うことができるだろうか。長いスパンで育成していくことを考慮してほしい」と主張した。

 

全日病ニュース2018年8月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 社保審・医療部会> 民間病院と公的病院の適切な役割分担求める

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20180215/news02.html

    2018年2月15日 ... 議論の整理」では、公立・公的病院に期待する役割として、①民間医療機関の立地が
    困難な過疎地等における一般医療②不採算部門に関わる医療③県立がんセンター等の
    高度・先進医療④広域的な医師派遣の拠点としての機能─をあげている。 ... 役割を
    果たしていない公立・公的病院が、急性期病床の稼働率が悪いといって、回復期や慢性
    期に病床転換することに対しては、国がきちんと指導してほしい」と要請した ...

  • [2] 地域医療構想の進捗状況を説明|第918回/2018年6月1日号 HTML ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20180601/news02.html

    2018年6月1日 ... 地域医療構想の進捗状況を説明|第918回/2018年6月1日号 HTML版。21世紀の
    医療を考える「全日病ニュース」は、全日本病院協会が毎月1日と15日に発行する機関
    紙です。 ... 地域医療構想策定ガイドラインに基づく推計だと、2025年の医療機能別の
    病床数は現状より、高度急性期・急性期で△21万床、 ... 病院と回復期・慢性期の2つの
    地域医療センターに再編・統合(奈良県、南和区域、△155床)◇民間を含めた3病院の
    再編・統合で機能分化(茨城県、築西・下妻区域、△173床)などがある。

  • [3] 全日病ニュース・紙面PDF(2018年7月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/voice/topnews/backnumber/pdf/2018/180701.pdf

    2018年7月1日 ... 一定の医療の. 質を出来るだけ低コストで賄う財源利. 用の最適化が必須である。大学
    病院を. 除いた公的公立病院の医療コストは民. 間の約2 ... 療は民間が分担し、先進・
    高度急性期・. 過疎僻地 ..... 療機関高度急性期、急性期、回復期、.

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