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NDBと介護DBの連結の仕組みで議論の整理

【厚労省　医療・介護データ等解析基盤有識者会議】

　厚生労働省の「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」（遠藤久夫座長）は７月12日に会合を開き、これまでの議論を整理した。レセプト情報・特定健診等データベース（NDB）と介護保険総合データベース（介護DB）を連結し、研究に役立てる仕組みで一定の合意を得た。秋に議論をまとめ、来年の通常国会の法案提出を目指す。
　同会議は５月から５回の会合を開催。この日はこれまでの議論を、◇議論の経緯◇基本的視点◇データの収集・利用目的、対象範囲◇第三者提供◇実施体制◇費用負担◇技術面の課題─の項目で整理した。医療に関連する様々なデータを連結し、ビッグデータとして分析する方向にある中で、法的規定を整え、実際の運用につなげる考えだ。
　「基本的視点」では、NDB と介護DBの連結が、「地域包括ケアシステムの構築、効果的・効率的で質の高い医療・介護の推進等に寄与する」ことを強調している。また、NDB、介護DBともすでに匿名化された情報であるが、連結に際して、その匿名性が損なわれないことが重要としている。
　「データの収集・利用目的、対象範囲」では、NDBと介護DBの連結に際して、新たな法律の規定が必要であるとした。NDBは法律で規定する利用目的が明確で、「医療費適正化計画の作成、実施および評価」となっている。ただしガイドラインで利用目的を拡大し、第三者提供などを行っている。
　介護DB の利用目的は、NDBより広い。介護保険事業計画の作成・実施・評価のほか、「国民の健康の保持増進およびその有する能力の維持向上」を含んでいる。新たな法規定では、介護DBの利用目的に近い形で、NDBを法律に位置づける方向だ。
　「第三者提供」では、幅広い主体が公益目的で利用できる枠組みの制度化を求めた。現状でNDBにおいては、◇標準的な項目の定期的な公表（オープンデータ）◇一定の情報を集めたデータセットの提供─を行っている。
　「実施体制」では、データベースの保有主体が国との性格を踏まえ、他の主体に委ねることの整理が必要とした。NDBでは、厚労省に有識者会議を設け、個別審査などを行っている。
　「費用負担」では、大部分は国が対応すべきとしている。ただし、利用ニーズの増加や多様化・高度化への対応で費用が膨らむことが想定されることから、受益者負担を考え、第三者提供では利用者の費用負担の検討も行う。
　「技術面の課題」では、NDBと介護DBを連結する上で、匿名性を維持しつつ、識別・連結の精度向上につながる方策を引続き検討していくとした。
　同会議は今回の議論の整理を社会保障審議会医療保険部会・介護保険部会に報告した上で、議論を再開し、秋をめどに報告書をまとめる予定だ。