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ホーム全日病ニュース(2020年)第960回/2020年4月1日号再診時の病院受診時定額負担の徴収徹底を求める声

再診時の病院受診時定額負担の徴収徹底を求める声

再診時の病院受診時定額負担の徴収徹底を求める声

【厚労省・医療保険部会】「200床以上の一般病院」は688病院

 社会保障審議会医療保険部会(遠藤久夫部会長)は3月12日、病院受診時定額負担の拡大について議論した。現行制度では、再診時の定額負担の徴収が不十分と指摘する声が出た。
 現行の受診時定額負担の制度では、初診5000円、再診2500円を最低金額として設定している。特定機能病院と400床以上(4月からは200床以上)の地域医療支援病院に徴収義務がある。4月からの現行制度の徴収義務の対象病院は666病院。
 中間報告の「200床以上の一般病院」にまで拡大する案について、厚労省は、一般病床200床以上の688病院が新たに拡大の対象になりうるとの解釈を示した。
 日本医師会の松原謙二委員は、「病院からかかりつけ医に患者を紹介する制度が機能するようにすべき」と述べ、現行の受診時定額負担の制度では、再診時の徴収が不十分との認識を示した。
 松原委員は、200床以上の一般病院全体にまで病院受診時定額負担の対象を拡大することに反対し、再診時の定額負担の徴収の徹底を求めた。
 日本慢性期医療協会の池端幸彦委員も、「定額負担の徴収免除が認められる患者の要件の解釈があいまい。再診時の定額負担を徴収する医療機関は多くない」と指摘した。
 保険者側の委員は中間報告の方向に賛成し、「200床以上の一般病院」の解釈について、「一般病床に限定すべきではない」との意見もあった。
 徴収対象病院の範囲は医療部会でも議論されるが、委員からは「医療保険部会の意見も考慮すべき」との声があがり、厚労省は「両部会の進め方は部会長と相談する」と回答した。
 研究者の委員からは、定額負担の増額分を公的医療保険に入れる中間報告の内容について「保険外で医療機関が徴収する費用を、強制的に保険財政に充てることを説明できるのか」との疑問があがった。他方、徴収額を都道府県が決定する仕組みを検討するよう提案する意見もあった。
 同日の部会では薬剤自己負担の引上げについても議論した。保険給付範囲の見直し、償還率の変更などについて意見交換が行われた。

 

全日病ニュース2020年4月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2017年2月15日号)

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    2020年2月15日 ... 全日病副会長の猪口雄二委員は、. 「病. 床機能報告制度で、 ... 出する予定とした。
    部会委員からは、キイトルーダの ... 療協会の池端幸彦副会長が就く。 中医協は例年
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  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2017年8月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2017/170801.pdf

    2017年8月1日 ... 社会保障審議会・医療部会(永井良. 三部会長)は7 ... 猪口委員は、「病期としての回復
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  • [3] 全日病ニュース・紙面PDF(2017年11月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2017/171101.pdf

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