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ホーム全日病ニュース(2020年)第960回/2020年4月1日号「拙速な結論」を懸念する声が相次ぐ

「拙速な結論」を懸念する声が相次ぐ

「拙速な結論」を懸念する声が相次ぐ

【社保審・医療部会】外来機能の明確化の議論で

 社会保障審議会・医療部会(永井良三部会長)は3月23日、外来機能の明確化をめぐり議論した。「医療計画の見直し等に関する検討会」の検討状況が報告されたが、全世代型社会保障検討会議が夏までに最終報告をまとめるのに間に合わせるために、厚生労働省が検討を急いでいることに対し、「拙速に結論を求めるべきではない」との意見が相次いだ。
 昨年12月の全世代型社会保障検討会議の中間報告では、紹介状なし受診で定額負担を求める義務がある病院を200床以上の一般病院にまで拡大する案を盛り込んだ。これを踏まえ、医療保険制度としての基本的な仕組みは医療保険部会、選定療養に関する具体的な負担額や要件などは中医協、外来機能の明確化など医療提供体制は医療部会で検討すると整理された。
 各会議体で議論しつつ、与党の議論との整合性を取りながら、厚労省としての考えをまとめ、それを基に全世代型社会保障検討会議の最終報告に盛り込む内容が議論される方向だ。
 外来機能の明確化の具体的な検討は、「医療計画の見直し等に関する検討会」で行うことになり、2回分の議論の進捗が同日の医療部会に報告された。ただ、委員の多くは外来機能の明確化に向けた議論を行うことには賛意を示しつつも、全世代型社会保障検討会議の中間報告を前提に議論することに難色を示した。
 委員からは、「中間報告には、大病院と中小病院など定義のよくわからない言葉がたくさん出てくる。読めば読むほどわからなくなる。医療部会としてはこれには反対すると意思決定すべきではないか」(相澤孝夫委員・日本病院会会長)、「入院では地域医療構想の枠組みをまとめるのに何年も議論している。外来機能の明確化についても、少なくともそれぐらいの時間が検討に必要だ」(田中滋委員・埼玉県立大学理事長)などの意見が出た。
 一方、「医療計画の見直し等に関する検討会」では、「医療資源を重点的に活用する外来」を一般の外来と区別するため、診療報酬の算定で把握した医療資源投入量や紹介患者の受診などの基準で3類型を示し、その該当状況を分析している。
 これに関して、全日病会長の猪口雄二委員は、「重装備の病院を明確化すれば、外来機能を3類型で無理に分類しなくても、病院の機能としてみることで、おのずと外来の区別はなされるのではないか」と問題提起した。

 

全日病ニュース2020年4月1日号 HTML版

 

 

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  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2019年12月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2019/191201.pdf

    2019年12月1日 ... 査実施小委員会(秋山美紀小委員長). に、2020年度診療報酬 ... 会で賛否があり、
    今回の議論でも難色. を示す委員がいたが、重点 ... をはじめ、複数の委員. が賛意
    示した。 ... 立ち、日本病院会の相澤孝夫会長、. 日本医療法人協会の ...

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