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ホーム全日病ニュース(2020年)第976回/2020年12月1日号医師の働き方改革の中間とりまとめ案を議論

医師の働き方改革の中間とりまとめ案を議論

医師の働き方改革の中間とりまとめ案を議論

【厚労省・医師の働き方改革検討会】「連携B水準」を新たに位置づけ

 厚生労働省の医師の働き方改革の推進に関する検討会(遠藤久夫座長)が11月18日にオンラインで開催された。厚労省が年内に決定する中間とりまとめ案を示した。中間とりまとめ案の大枠に異論はなかった。厚労省は中間とりまとめ案を踏まえ、来年の通常国会に医療法などの改正法案を提出。あわせて2024年度の医師の時間外労働規制の施行の準備と、長時間労働の医師の過重労働の着実な短縮を目指す。
 中間とりまとめ案では、これまでの検討で合意された医師の時間外労働の上限である年960時間を超える地域医療確保暫定特例水準(B水準)に、新たに「連携B水準」を設けた。「連携B水準」とは、主たる勤務先の労働時間だけでは年960時間を超えないが、兼業先を含めると年960時間を超える場合の特例。医師の派遣を通じて、地域の医療提供体制を確保するために必要な役割を担う病院を指定する。
 委員からは、「連携B水準」に該当する医師の時間外労働を減らす場合、主たる勤務先である大学病院などにおける労働時間よりも、派遣先の病院における労働時間を減らす対応が取られることへの懸念が出た。このため、日本医療法人協会副会長の馬場武彦委員は「連携B水準は2036年までに廃止とはせず、残すべき」と主張した。
 一方、全日本自治団体労働組合総合労働局長の森本正宏委員は「B水準の廃止に向け、医師の労働時間短縮の取組みに対し、より積極的な対応が図られるような書きぶり」を求めた。
 医師の時間外労働規制の施行が地域医療に与える影響については、各地域で協議を行う場を整えていく必要がるとされる。中間とりまとめ案では、都道府県がB・C水準の対象病院の指定に当たって、都道府県の医療審議会の意見を聴取することにしていることから、地域医療への影響についても、医療審議会で協議することにした。

 

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