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外来機能報告制度で専門外来を明確化

【厚労省・医療計画見直し等検討会】外来の実施状況を都道府県に報告

　厚生労働省は11月19日の医療計画の見直し等に関する検討会（尾形裕也座長）に、紹介患者中心の専門外来である「医療資源を重点的に活用する外来」を担う病院・有床診療所を明確化するため、外来機能報告制度を創設する案を示した。大きな反対はなく、近く議論の整理としてまとめる予定だ。
　「医療資源を重点的に活用する外来」は、全世代型社会保障検討会議の中間報告に記載された、紹介状なし受診時に定額負担を求める対象病院の拡大の議論と関連する。外来機能を明確化した上で、200床以上の一般病院のうち、紹介患者を基本とする外来を担う病院を絞り込み、新たに定額負担を義務化する病院とするためだ。
　紹介患者を基本とする病院は、「医療資源を重点的に活用する外来」を担う病院とする。具体的には、①医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来②高額等の医療機器・設備を必要とする外来③特定の領域に特化した機能を有する外来（紹介患者に対する外来等）に設定し、基準を設ける。紹介患者が基本となるような専門外来を特定の診療報酬の算定などで判断する考えだ。
　今後、専門的な検討の場で、「医療資源を重点的に活用する外来」に該当する基準が議論される。その基準に該当する外来を担う病院が、新たに定額負担が義務化される病院となる見込みだが、基準に該当する病院が強制的に指定されるわけではなく、地域の協議により、決められる仕組みとする。
　基準に該当する外来であるかを把握する仕組みとして、外来機能報告制度を創設する。病院は、外来の実施状況のデータを都道府県に提出。都道府県は病床機能報告とあわせて、外来の実施状況を報告する。病院の負担軽減のため、将来的に医療機能情報提供制度の活用も検討するとしている。
　定額負担の対象となる外来を地域で基幹的に担う病院を位置づけるための議論を行う「協議を行う場」は、地域医療調整会議を活用できることにする。協議に当たっては、国が外来需要の参考値を示す。また、「医療資源を重点的に活用する外来」は広告可能とする。
　外来機能報告制度へのデータ提出を行わない病院や、虚偽の報告をした病院に対しては、報告徴収または報告内容是正の命令を都道府県が行うことができるようにする。病院がこれに従わない場合はその旨が公表される。
　一方、外来機能報告制度へのデータの提出対象に、診療所も対象に含めるべきとの意見が、病院団体の委員から出ていた。しかし、紹介患者の外来に集中すべき病院を明確化するのが当面の目的であり、その対象とならない多くの診療所に負担を強いることを避けるなどの観点で、報告義務は病院・有床診療所に限定することになった。無床診療所の報告は任意としている。