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ホーム全日病ニュース(2020年)第976回/2020年12月1日号新型コロナのワクチン接種で参考人質疑

新型コロナのワクチン接種で参考人質疑

新型コロナのワクチン接種で参考人質疑

【衆院・厚生労働委員会】予防接種法等一部改正案で安藤議員が質問

 「予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案」を審議している衆院・厚生労働委員会は11月17日、海外で開発が進められている新型コロナウイルスワクチンについて参考人から意見を聞いた。安藤高夫衆議院議員(自由民主党・全日病副会長)が質問に立ち、ワクチンの有効性・安全性や接種の実施体制について参考人の見解を求めた。
 予防接種法等の一部改正案は、新型コロナウイルス感染症に対する予防接種の実施体制を整備するもの。予防接種法の臨時接種の特例を設け、厚生労働大臣の指示のもと、市町村において予防接種を実施することとし、接種の費用は国が負担する。
 安藤議員は、現在開発中のワクチンの有効性・安全性について質問。宮坂昌之参考人(大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授)は、有効性について「初期データを見る限り、インフルエンザワクチンより高い予防効果を持つ可能性がある」と発言。安全性については、これまでの治験で健康被害は起きていないが、「接種者が増えた場合は何とも言えない」と答えた。
 また、岡部信彦参考人(川崎市健康安全研究所所長)は、現時点で有効性・安全性に関する十分なデータを持っていないとし、「科学的データを見て慎重に判断すべき」と答えた。
 安藤議員は、予防接種の実施体制について質問した。
 岡部参考人は、ワクチンの輸送体制の整備や接種を担う医師や看護師、事務職員の確保が必要になるとした上で、特に輸送については、現在開発中のワクチンが使用可能となれば、冷凍保存が重要な課題になると指摘した。
 また、釜萢敏参考人(日本医師会常任理事)は、集団接種と医療機関における接種の両方を進める必要があるとし、行政と連携しながら体制整備を進めたいと述べた。

 

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