全日病ニュース

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地域に密着した病院の役割を議論

地域に密着した病院の役割を議論

【理事会・常任理事会】総合医的視点を持ち、病院全体でかかりつけ医機能担う

 全日病は1月22日に開いた理事会・常任理事会・支部長会で、かかりつけ医機能と地域密着型病院の役割について討論した。織田副会長が「かかりつけ医機能の強化・活用にかかる調査・普及事業検討委員会」の検討状況を報告し、意見交換した。
 同委員会は、かかりつけ医機能について収集した好事例について検証するとともに、好事例の横展開を含め、かかりつけ機能の普及、強化に必要な取り組みを提言することを目的として設置された。
 4月からはじまる外来機能報告制度により、医療資源重点外来を担う病院が位置付けられるため、医療資源重点外来に患者を紹介する、かかりつけ医の普及方策を検討する。
 12月に初会合が開かれ、日本医師会や全日病などがそれぞれの取り組みを発表。全日病からは、織田副会長が認定総合医事業について説明した。
 織田副会長は、85歳以上の高齢者が地域に増えてくる中で、臓器別の専門医療では地域の医療は回らないとし、社会的な問題も含め患者を全人的に診る総合医の役割が必要になると指摘した。
 また、外来機能報告制度では、かかりつけ医と医療資源重点外来を担う医療機関の紹介・逆紹介がイメージされ、「中小病院の役割がわかりにくい」として、地域に密着した病院が重要な役割を担うことを検討会で強調したいと述べた。
 討論では、臓器別の医療を行う大病院と地域密着型病院の違いは患者を継続的に診ていることであり、そのために総合医的な視点が必要であり、地域に密着した病院の存在意義は大きいとの指摘があった。
 また、地域密着の病院でも、ニーズの多い疾患に対応するため臓器別専門医は必要で、地域の状況を踏まえて病院全体でかかりつけ機能を担うのが全日病の病院であるとの発言があった。
 そのほか、「死亡診断書を書けるのがかかりつけ医である」との発言や、「コロナ禍にあっていま助けてほしいという声に応えるのがかかりつけ医であり、そのために総合医のスキルが必要になる」との意見があった。

 

全日病ニュース2022年2月1日号 HTML版