全日病ニュース

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継続支援実施レポート

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2021年度病院機能評価受審支援事業⑤ 病院機能評価委員会 特別委員 看護アドバイザー 木村由起子

 今年度の病院機能評価委員会が実施する受審支援モデル事業は、広島県の福山城西病院を対象とし、1年をかけて複数回、診療・看護・事務領域の委員がアドバイスすることになっています。9月のオンライン支援以降の進捗状況確認のため、12月は実際に訪問してアドバイスを行ってきました。当日は、事務長、看護部長をはじめ各部門の代表者が出席し、顔と顔を合わせての質疑応答と病院内を実際に訪問確認しました。
 今回は、①マニュアル・手順書等書類の確認、②ケアプロセスの模擬審査、③病棟、薬剤部、透析室の部署訪問の3点が主な内容でした。院内の待合室、廊下などには物品を置いてなく、すっきりした状況で、清潔感があり、何より患者さんが心地よさを抱ける環境であると感じました。
 オンライン支援後に取り組んだ倫理指針・方針、緩和・ターミナル期の手順書の内容確認を行いました。ところが説明と同意の方法、処方指示の出し方などについては、職員自らが改善に前向きに取り組んでいる状況でした。院内ラウンドでは、麻薬・向精神薬の保管管理、感染防止用個人防護具の使用方法などについて、改善が必要な旨を伝え、その他の課題も共有することができました。
 ケアプロセスについては、入院から退院までのトレースにより模擬審査を実施しました。着眼点として、患者さんに対して、医療安全、感染防止の観点から最善の方法であるか見直し、自信をもって審査時に主張できるよう、職員相互で模擬的にケアプロセスのトレースを行うことを期待します。
 また、医師をはじめ多職種が実際の診療・ケアを展開していても、診療録に記載されていない項目があり、特に、身体所見や観察内容とアセスメント、説明やカンファレンスなどの記録、参加者名を確実に記録すべきことなどをアドバイスしました。
 今回は、医師以外の各職種が参加しており、病院機能評価受審に向けて積極的かつ継続的に取り組んでいる様子でした。今後も、改善を続け、作成した手順の周知徹底と実績を積み重ね、PDCA を回して、質の評価と改善を練り上げる努力を続けて欲しいと思います。

 

全日病ニュース2022年2月1日号 HTML版