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ホーム全日病ニュース(2022年)第1002回/2022年2月1日号FHIR 規格を実装した電子カルテの普及方策を議論

FHIR 規格を実装した電子カルテの普及方策を議論

FHIR 規格を実装した電子カルテの普及方策を議論

【医療情報ネットワーク基盤WG】医療情報化支援基金で要件化

 厚生労働省の「医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループ」(主査=中島直樹・九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター教授)は1月7日の会合で、 電子カルテ情報を医療機関間で共有・変換できる環境を整備するため、標準規格準拠の電子カルテを普及させる方策について検討した。
 厚労省は、HL7 FHIR 規格でデータ・情報の交換ができる電子カルテの普及に向けて、ベンダー各社の標準パッケージ機能にHL7 FHIR 規格を実装することにより電子カルテ導入コストを軽減することを提案し、概ね了承を得た。
 また、標準規格の更新や拡充に応じて、電子カルテの基本共通機能がパッケージとして、随時、更新・機能拡張されることを踏まえ、医療機関における独自のカスタマイズを避けることを提案した。独自のカスタマイズを行った際には、当該医療機関がカスタマイズに必要な改変費用、ならびに以後の基本共通機能の更新・機能拡張に順応するための更新・機能拡張の費用を負担することが必要とした。
 医療施設調査から、病床規模別の電子カルテの導入状況を見ると、400床以上は85.4%が導入しているのに対し、400床未満200床以上は64.9%、200床未満は37.0%であり、中小規模の医療機関における電子カルテ導入が進んでいない。
 厚労省は、中小の医療機関に標準規格準拠の電子カルテを普及させるため、医療情報化支援基金の要件として、HL7 FHIR 規格に準拠した文書のデータ入出力を求める考えを示した。
 中小規模の医療機関を対象に、◇既に電子カルテが稼働している医療機関は、標準規格準拠の電子カルテへの更新にかかる費用の一部、◇電子カルテが未導入の医療機関は、標準規格準拠の電子カルテの導入にかかる費用の一部を支援する。
 情報化支援基金の要件として、①電子カルテの基本共通機能(標準パッケージ機能)として、HL7 FHIR 規格に準拠した文書(診療情報提供書、退院時サマリー、健診結果報告書)のデータ入出力ができること、② HL7 FHIR規格に準拠した文書のデータ出力時に含まれる医療情報(傷病名、検査、処方)には厚労省標準規格等のコードやマスターを付与すること、③ HL7 FHIR規格に準拠した文書・医療情報の出力データサンプル、ならびにデータ送受信経路のネットワーク構成図(ネットワークトポロジー)を提出することを求める。
 HL7 FHIR は、医療情報交換のための次世代の標準規格として、海外で注目されているもの。Web 技術を採用し、相互運用性を確保できて実装しやすいなどの特徴がある。

 

全日病ニュース2022年2月1日号 HTML版

 

 

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  • [1] NEWS 9/1 - 全日本病院協会

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    業医科大学医学部の松田晋哉教授とDPC評価分科会の金田道弘委員(社会医療法人緑壮 ... 医師臨床研修制度 WGを設置、到達目標等見直しの議論を開始.

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