全日病ニュース
改定率1.13%の財源で介護職員の収入3%引上げ
改定率1.13%の財源で介護職員の収入3%引上げ
【厚労省・介護給付費分科会】介護職員処遇改善加算Ⅰ~Ⅲの取得が条件
厚生労働省は1月12日の社会保障審議会介護給付費分科会に、今年10月以降の介護職員の処遇改善策として、介護報酬による新加算案を示した。新加算は臨時の介護報酬改定で対応し、改定率は1.13%増になる見通しだ。
処遇改善について、2~9月は2021年度補正予算で措置した介護職員処遇改善支援補助金で対応するが、介護報酬に引き継ぐことを前提に、10月以降の国費分については、2022年度予算案に計上されている。
新加算案では介護施設等での事務負担増を防ぐため、介護職員処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを取得している事業所であることを取得要件とするなど、同補助金の要件や仕組み等を引き継ぐ内容となっている。
臨時の改定率について、厚労省は「介護職員等の収入を3%程度引き上げるための措置で、通常の介護報酬改定のように特定の改定率をもって決定したものではない」と前置きをした上で、給付増分を計算すると1.13% になることを明かした。
日本介護福祉士会会長の及川ゆりこ委員は、「国民の過度な負担増は望まない。利用者負担の増加や介護保険料に影響することで、要介護の人のサービスの利用控えにつながらないようにしてもらいたい」と訴えた。
日本医師会常任理事の江澤和彦委員は、経済対策として処遇改善を行うにあたり、介護職員処遇改善加算を算定している事業所とそうでない事業所の介護職員の賃金格差がさらに広がることに懸念を示した。このため、「全国の介護分野に従事している職員に平等に配分されることが重要。2022年の臨時改定に間に合わないようであれば、2023年4月の見直しも検討の余地があると思っている」と述べた。
全日病ニュース2022年2月1日号 HTML版