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政府がCOCOA の総括報告書を公表

政府がCOCOA の総括報告書を公表

 政府は2月17日、新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOAに関する総括報告書を公表した。利用者に行動変容を促す効果がみられたとし、今後のパンデミック時にはアプリのより強い利用推奨のあり方を検討すべきと提言している。
 COCOAは、社会全体での感染リスクを低下させることを目的に2020年6月に導入された。2022年9月には陽性者の全数届出が見直され、COCOAに陽性登録する対象者が限定的になったことから、運用を停止した。
 報告書は、迅速に導入することが優先され、COCOAの開発・保守運用の体制整備は不十分だったと指摘。開発段階で、感染症対策の専門家や感染症法に基づく対策の実務に詳しい者の関与が薄かったため、COCOAを感染症対策へ活かす視点が欠如し、他の感染症対策との連携が弱かったと問題点を指摘した。これを踏まえ、今後のパンデミック時に新たなデジタルツールを検討する際には、その初期段階からデジタル技術の専門家と感染症対策の専門家、実務担当者が密に連携し、ツールの目的や手法等について合意できるようにすべきと提案している。
 COCOAの開発・運用に要した費用は12.7億円で、ダウンロード件数は4,129万件、陽性登録件数は369万件だった。利用者アンケートによると接触通知を受けた人の7割以上が他人との接触を避ける行動をとったとの結果が出た。
 報告書は、COCOAには行動変容を促す一定の効果があったと評価。今後、感染力の高い感染症の流行時に、経済との両立を図り、国民社会全体に対する行動制限を防ぐために、人々の自主的な行動制限を促すアプリを活用する意義はあるとの考え方を示している。
 行動変容を促す手段として、アプリを感染症対策の中に位置付けることにより、利用の法律上の義務付けやイベント来場者へのインストールの必須化など、より強い推奨を行うという選択肢を検討する必要があると訴えている。

 

全日病ニュース2023年3月1日号 HTML版

 

 

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